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コラム
» 2004年05月17日 09時15分 公開

VAIOに何が起こったか?――type A篇 (1/3)

夏モデルを境に、ソニーのVAIOは第2章に入るという。ではその第2章とは何なのか? 先週行われた発表会「VAIO DAY 1」では、多くのプレス関係者が、その真の意味を理解すべく頭をひねらせていた。そこで筆者も筆者なりに「VAIOに何が起こっているのか」を解き明かしてみよう。

[小寺信良,ITmedia]

 2004年5月10日、「VAIO DAY 1」と名付けられたVAIOの新製品発表会では、数多くの製品が紹介された。会場では「DO VAIO:MUSIC.」、「DO VAIO:TV.」、「DO VAIO:OUTDOOR.」という3つの柱に集約したプレゼンテーションが行なわれ、新しいVAIOのコンセプトを見極めるべく、多くのプレス関係者が頭をひねっていた。

 この夏モデルを境に、VAIOは第2章へ突入するという。今回からしばらく、まあ有り体に言えばネタがなくなるか、筆者が飽きるまで、この“VAIO第2章”をサカナに、いろいろなことを考えてみたい。

 昨年から発表されていたように、VAIOは単なるPCブランドからもっとグローバルなブランドに成長すべく、計画が進んでいた。この意味するところは、“純粋なPC”以外のものも「VAIO」ブランドで展開していくということであり、PCアーキテクチャーを使ったPC以外の製品の登場を示唆したものであった。だがそうは言っても、パソコン製造そのものをスッパリ辞めてしまうわけにもいかないわけだから、やはり「SONYのパソコン」としての形も残っていくことになる。

 そんな動きの中で、パソコンとして見て最も新しいコンセプトを体現しているのは、VAIO DAY 1プレゼンテーションではほとんど触れられなかった、「VAIO type A」だろうと思う。

持ち歩かないノート

 「VAIO type A」は、ラインナップ的に見ればかつてのノート型ハイエンドモデル「バイオノートGR」シリーズの後継にあたると見ていいだろう。しかしtype Aはいろいろな意味で、従来のノートPCとは考え方が異なっている。

 中でも最上位モデルの「VGN-A70P」に至っては、17インチワイドWUXGA(1920×1200ドット)液晶モニタを備え、横幅が405.5ミリもある。モニタが折り畳めてバッテリーで動くからノート型と呼べるのかもしれないが、もはやサイズ的にはノートを超えて“スケッチブック”ぐらいある。むしろ「リムーバブルデスクトップ」と呼んでもいい。

新リムーバブルデスクトップ? VAIO type A

 デザイン的、コンセプト的にも、このモデルには見るべき点が多い。従来のノートPCと明らかに異なるのは、畳んだ状態ではなく、「開いた状態がベスト」なデザインが成されている点だ。横から見たときに現われる、ボディ底面からヒンジを経由し、モニタのエッジに至る滑らかにつながったライン、こういった発想は、かつての「バイオノートZ」を連想させる。

サイドラインが特徴的だった「バイオノートZ」

 だが決定的に違うのは、バイオノートZのサイドラインは、液晶モニタを最適な角度に倒すと、せっかくのラインの連続性が壊れてしまう。つまり、デザイン的にいい角度よりもモニタをもうちょっと奥に倒さないと、使いづらいのである。だがtype Aのラインは、モニタを開いて最も使いやすい角度に倒したところが、ちょうどサイドラインもきれいに決まるポイントになっている。

 この違いは、重要だ。すなわちノートPCの持つ「折りたたんで移動」という機能は、type Aに関してはあくまでも「やってやれないこともない」というレベルのオプションであり、本筋はデスクトップ機のように常時設置が前提のマシンであることを体現しているのである。

余裕をもって包むということ

 デザイン的な見所はもう一つある。

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