ソフトバンクは8月11日、2004年度第1四半期(4−6月期)決算を発表した。Yahoo!BB事業は顧客情報流出などの影響で回線増加数が伸び悩んでいるが、孫正義社長は「近い将来、続々と発表予定の新サービス」で打開する考えだ。
同日発表された7月末時点のYahoo! BB接続回線数は、435万5000回線。3月末の400万4000回線から、4カ月で35万1000回線の増加にとどまった。現在のペースでは、「2005年9月末までにユーザー600万人」という目標達成は厳しい。
孫社長は、準備中の新サービスにペース回復の期待を託す。「新サービスによって顧客獲得の手法、商品メニューが変わってくる。(魅力的な新サービスによって)ユーザー数は大幅に伸びる可能性がある」(孫社長)。
顧客が自然と集まる新しいサービスを用意すれば、顧客獲得にかかる単価も下がる上、BBフォンで成功したように、ARPU(1ユーザー当たりの平均収入)を増やす効果もある。
ただし新サービスの内容については「さわりも明かせない」としたが、「収益性を上げていく原動力となるサービスだ」と孫社長。噂されているFTTHや携帯電話といったサービスについては「いつか、どこかで、何らかの形で必ず参入したい」とコメントした。
4−6月期の連結業績は、売上高が前年同期比42%増の1473億円。純損失は、前年同期の347億円からほぼ半減させて178億円とした。顧客獲得と、新サービスの準備にかける投資は減らさないとしながら、今年度内の目標とする単月黒字化に自信を見せた。
2月に分かった顧客情報流出の影響については、「(流出情報は広まらず、勧誘電話などで)エンドユーザーが直接影響を受けることはなかった。解約にはつながらなかった」と孫社長。
証拠として、2月以降の月間課金者解約率を紹介。引越しという季節要因で3−4月は解約が増える傾向にあるが、3月は1.89%(前年同期1.62%)、4月は1.57%(同1.32%)と、前年同期から微増にとどまったとしている。
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