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ソニー、「S-Master PRO」搭載のAVアンプに“弟分”

» 2004年09月03日 18時51分 公開
[ITmedia]

 ソニーは、ホームシアター向けAVアンプの新製品「TA-DA7000」を11月21日に発売する。同社のハイエンドAVアンプ「TA-DA9000ES」の下位モデルという位置づけ。S-Master PRO、9.1chサラウンド、i.LINK入力といった機能は継承しつつ、価格は24万1500円と大幅に引き下げた。これにより、同社のAVアンプラインアップは計5機種となった。

photo デザインも同社のハイエンドAVアンプ「TA-DA9000ES」の弟分といった印象だ。高さは174ミリと、TA-DA9000ES(238ミリ)より6センチ以上低い

 ソニーの「S-Master」は、入力信号を完全デジタル領域で処理する上、スピーカーを直接駆動できる、いわばD/Aコンバーターとパワーアンプの機能を合体したようなデジタルアンプ技術。入力されたデジタル音声信号をスピーカーの直前までアナログ信号に戻さないため、クオリティの低下を抑えることができる。

 「S-Master PRO」は、それにパルスの高さを変えて音量を調整する「パルスハイト・ボリューム」機能や、アナログアンプ方式の位相特性をデジタル技術でシミュレートする「DCフェーズ・リニアライザー」を加えたものだ。パルスハイト・ボリューム機能は、音源のデジタルデータ構成を変化させずに音量コントロールを行うため、通常のデジタル・ビット領域で調整する方法と比較して情報の欠落がない。

 このほか、レコードプレーヤーなどのアナログ入力にも対応したスピーカーの距離設定機能や、映像と音声の時間差を補正するA/Vシンク機能(リップシンク機能)など、設置環境やソフトの状況に合わせて細かく調整できる機能を備えた。

 アンプ出力は120ワット×7ch(定格)だが、2系統のサラウンドスピーカーを1つのアンプで同時に駆動することで9.1チャンネルとなる(サブウーファーはアクティブ型を前提)。サラウンド・スピーカーA(5.1ch)/B(7.1ch)/A+B(9.1ch)の各構成があり、用途や環境に応じて切り換え可能だ。なお、TA-DA9000ESにあった「フロントA+B」は省略されている。

 サラウンドフォーマットは、最新のものを含めて網羅。ドルビーデジタルやDTSのほか、ドルビープロロジックIIxやDTS96/24をサポートしている。もちろん、ドルビープロロジックIIデコーダーと、BSデジタル放送のMPEG-2AACデコーダーも搭載した。

 音声入力では、まずスーパーオーディオCDのDSD信号をデジタルのままアンプに入力できるi.LINK端子を2ポート搭載した。1本のケーブルでマルチチャンネル・サウンドの再生が可能になる。動作確認済み機種は「SCD-DR1」と「XA9000ES」の2機種。i.LINK端子は、映像系の入力として割り当てることも可能だという。

 このほか、デジタル音声入力は光×5系統と同軸×3系統を用意(出力は光1系統)。アナログオーディオ用入力端子は、PHONO(MM)×1系統とLINE系4系統など。

photo リアパネル(クリックで拡大。主な仕様はSony eCatalogを参照)

 映像系では、TA-DA9000ESにあったDVI端子に換えて、新たにHDMI端子(入力2系統、出力1系統)を備えたことが特徴となる。さらに、電気的に独立したコンポーネント映像とD4端子(それぞれ入力2系統、出力1系統)があり、たとえばコンポーネント端子にはプロジェクターを、D端子にはテレビといった具合に同時接続できる。

 TA-DA9000ESと同じ映像アップコンバータ機能「Video Up Convert」(コンポジット入力をS映像やコンポーネント出力にアップコンバート)も備えた。このほか、5系統の入力と2系統の出力、そして1系統の映像モニター出力を持っている。

 本体サイズは430(幅)×475(奥行き)×174(高さ)ミリ。重量は23.5キロ。AVリモコン「RM-PG7J」と簡単リモコン「RM-U7S」が付属する。

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