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コラム
» 2004年09月08日 18時33分 公開

雷の被害からPCやデジタルレコーダーを守るには?

ネットワークに常時接続・連続稼働させつつ、さらには外部に直接つながるアンテナ線までも接続されているPCやデジタルレコーダー。天候が崩れやすい今、大切な機械を雷から守るには?

[渡邊宏,ITmedia]

 PCやDVD/HDDレコーダーなどのAV電機機器を使っている人にとって心配なものの一つに“落雷”がある。雷の直撃で過剰な電流が流れたり、落雷による停電で電源が瞬間的に落ちてしまったりするからだ。今年の夏は異常な猛暑や台風の上陸が続くなど、異常気象といっていいほどの状態。

 全国で落雷を観測し、情報提供を行うフランクリン・ジャパンによると、「今年は猛暑の影響か、昨年に比べて6〜8月の落雷件数が多くなっている」とのこと。7月だけを抜き出してみても昨年同時期の1.6倍の落雷を観測しているそうで、例年に比べて一層落雷に対する対応が求められている。

 一番単純な対処法は、電源をオフにして(雷が来る前に)電源コードを抜いてしまうことだが、PCやDVD/HDDレコーダーといった機器は、その性格上、電源を常時オンにしている場合が少なくないはず。

 しかも、録画機器の場合、落雷時に発生するコンセントからの過電流・瞬断に加えて、電話線が接続されているADLSモデムや、TV放送の受信アンテナからも落雷の影響を受ける可能性がある。その分だけ「被害」を受けるリスクも高いというわけだ。

 そこで、PCやDVD/HDDレコーダーを製造する各社に、事前の対応状況と、もし雷が鳴り始めたらどのような対処をとるのがベストなのかを尋ねてみた。

問題はむしろアンテナ線やネットワーク

 雷による“コンセント”からの過電流・瞬断については、「社内基準に基づき、電源ライン〜ライン間、ライン〜アース間に雷をシュミレーションした電圧を与え、PCが壊れないことを設計段階で確認しています」(松下電器産業)、「落雷などの過剰な電流・瞬断については明確な対策は難しいですが、想定される過電流や瞬断への対策は採っています」(ソニー)というように、各社共に製造段階である程度の対策を施している。

 このようにコンセントからの対策は施されているものの、ネットワークやアンテナ線からの影響を回避するのは難しい様子。「落雷によるかどうかの特定は困難だが、総合的に考察した場合、落雷によると考えられる故障が昨年よりも多かった」という東芝によると、落雷の影響はまず、ADSLモデムやスプリッタへの被害として現れることが多いそうだ。

 「PCにおける落雷の影響は、ブロードバンド環境の普及によって、PC外部接続機器(各種モデム・スプリッタ等)が故障するケースの方が多く、PC本体へ直接影響することは少なくなる傾向にあります」(東芝)

 そのため、各社は「電源プラグをコンセントから抜く」ことはもちろん、「電話線やネットワークケーブルなど、外部回線へつながっているコードをコネクタから抜く」「TVやCS、BSなど屋外アンテナに接続されているコードをコネクタから抜く」という措置を推奨している。

積極的な対処には耐雷製品の導入を

 確かに“コードを抜く”という手段は究極的な手段で、そうしておけばほぼ雷の影響から機械を守ることができる。しかし、これはあくまでも受け身の手段。もう少し積極的な対処方法はないものだろうか。

 雷がHDD/DVDレコーダーのようなAV機器に影響を及ぼす経路を分類すると、大きく分けて「コンセント」「電話線」「アンテナ」の3種類に分類できる。その3種類の経路に、雷の影響を吸収・緩和する製品を導入すれば、雷の予報が出るたびにコードをコネクタから抜く手間を省くことができる。

 コンセントには、このようなアレスタ(避雷器)を家庭の分電盤に設置すれば、過電流の影響から機器を守ることができる。PC向けならば、販売されている一部のUPS(無停電電源装置)には落雷からの保護機能が搭載されているので、過電流の影響から機器を守りつつ、一定時間ならば停電の影響からも機器を守ることができる(ただし、すべてのUPSが過電流に対する保護機能を搭載しているわけではない)。

 電話線については、落雷の影響で回線を流れるノイズをカットする機能を搭載したスプリッタ(バッファロー「IGM2-FSAC-SP」)などを電話(ADSL)回線に接続すれば、影響を遮断できる。アンテナについても同様で、市販されているアンテナアレスタ(音羽電機OST-2215F形)などを回線に接続すれば、影響を遮断可能だ。

photo バッファローの雷サージ遮断機能スプリッタ「IGM2-FSAC-SP」

 メーカー各社が言うように、「コードを抜く」ことが基本的な自衛手段になることは変わりない。しかし、各種レコーダーなどの録画機器を常時、安全に運用していたい場合には、このような耐雷製品の導入を検討してみてはどうだろうか。

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