サントリーは、“自分だけのウイスキー樽”を購入できる「サントリー オーナーズカスク」のサービスを開始した。
同社が山崎・白州と2箇所の蒸留所を有しているのは左党なら知っている人も多いはずだが、このサービスは同社の貯蔵している数多くのモルト原酒を樽ごと販売、購入者に瓶詰めして発送する。
今回販売される樽は「樽単位で自信を持って販売できるもの」(同社)で、樽の材質(ホワイトオーク・スパニッシュオーク・ミズナラ)や形状(バッツ・パンチョン・ホッグスヘッド・バーレル)、貯蔵年数(10年〜25年)の違いによる、それぞれ異なった味わいを持った103樽が用意されている。103樽の内訳は、山崎蒸留所が63樽、白州蒸留所が40樽で、もちろん現品限りだ。
樽材質や容量などによって価格はさまざま。最もリーズナブルなのは、1994年蒸留の樽ナンバー「4D 3004」(ホワイトオーク材・バーレル樽・ボトル95本分)で50万円。1979年に山崎蒸留所で蒸留された樽ナンバー「RF 1032」(ミズナラ材・バッツタイプ樽・ボトル290本分)には3000万円という価格が付けられている。このRF 1032は「やや甘く/なめらか」な味わいで、「甘い香木香がしっかりと長く伸びる」後味が特徴だとのこと。
オーナーズカスクのWebサイトにも販売される樽の特徴などは記載されているが、これだけの高額商品だけに、購入前にはかならず蒸留所でテイスティングを行うことになっている。
購入希望者は山崎・白州の両蒸留所に新設された専用テイスティングルームでブレンダーからの説明を受けながら試飲を行った後に、樽を選ぶことになる。そうして購入した購入した樽は専用の貯蔵庫にて管理され、欲しいタイミングで瓶詰めをしてもらえる。
購入した樽の鏡板には自身のサインを入れることができるほか、瓶詰めするボトルに張られるラベルにも自身のサインを入れることができる。
「(樽ごと販売するという試みは)おそらく世界で初めて。正に画期的な取り組みではないかと自負している。ウイスキーを取り巻く環境は非常に厳しいが、こうした取り組みが“ウイスキーの再生”への一助となればと考えている」(同社常務取締役 ワイン&スピリッツカンパニー社長 寺澤一彦氏)
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