奥川は悩んでいた。
「毎年恒例」とか「おなじみの」とかいう言葉がまとわりつくような、かつ「ウケ狙い」の製品をリリースし続けなければならない宿命にある、イーレッツの名物おやじこと奥川浩彦氏である。
そして「IT戦士(♀)」も悩んでいた。
IT戦士(♀)は、おそれおおくも「IT戦士リンク集」なるサイトまで作っていただいているほどの幸せものではある。しかし最近は、その管理人氏が付けているという「IT戦士度が高いと感じた記事マーク」が付かないことに実は本人、かなり気にしている。
二人は考えた。そしてたどり着いたのが――。
イーレッツは4モデルめとなる毎年恒例のUSBクリスマスツリー、「線上のメリークリスマスIV」を2000台限定で発売、11月15日より受注を開始する。価格はオープンプライス、予想実売価格は4410円(税込み)。
……一見まったく変わっていない。これが今年の4月から、紅白の小林幸子ばりの綿密な計画が行われていたという線メリ新モデルなのか。
―― ぜんぜん変わってないじゃないですか。
奥川 いやいや、つまみで音量調整と雪が吹雪く量が調節できるようになったよ。
線メリIIIの開発費において、かなりのウエイトを占めていた「クリスマス・イブ」を奏でるメロディー機能ではあるが、「うるせぇ」という声も多く、今回より音量オフにもできるボリューム調節機能を追加した。
ちなみに奏でるメロディは今年も「クリスマス・イブ」である。
―― またタツローさんですか?
奥川 いやー、線メリIIIって1000台限定だったでしょ? このメロディIC、1000個単位じゃ受注してくれなくて、去年のうちに3000個作っちゃってたんだよね
……だから今回は2000台限定なのか。
奥川 でさ、今回で無事IC使い切ったので、来年モデルからは曲を公募してみようかなとか考えているんだよね。
というわけで来年も線メリ、どうやらやるようである。
B'z「いつかのメリークリスマス」、桑田圭祐「白い恋人達」、ワム!「ラスト・クリスマス」、ジョン・レノン「ハッピークリスマス」、DREAMS COME TRUE「雪のクリスマス」などがすでにノミネートされており、同社Webサイトで12月上旬まで投票が行われるという。
―― 「雪が吹雪く量」ってのは?
奥川 言葉の通り、こうすると雪の降る量を調節できるんだよ。ほらほら。
線メリは、本体下にモーターブロワが内蔵されており、発泡スチロールの雪を下から上に吹き上げることで雪を降らす仕組みになっている。このモーターの強弱を調整することで、粉雪にしたり吹雪にしたりといったことを気分によって変えられる。
―― ふーん。
奥川 ふーん、ってちょっと。何か超重要なポイントを忘れてない? これよこれ。
ああそういえば去年は、適当な小道具屋などでも売られているようなトナカイとサンタの人形だった。今回は「携帯を持つ少女(YUKA)」なる人形に変更されたのである。
奥川 うひひひひ。これお宅のIT戦士(♀)。
―― はぁ?
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