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2004年の“最も奇妙な”ゲームは?

» 2004年12月20日 13時09分 公開
[IDG Japan]
IDG

 2004年はいくつかの大ヒットゲームが生まれた。「Doom 3」と「Half-Life 2」がリリースされたこの年は、ゲームの歴史に刻まれることになるだろう。だがこうした主要ゲームだけでなく、大いなる野望とたくましすぎるほどの想像力をもった小規模ゲーム開発者にとっても重大な年だった。「真に奇妙なゲーム」が登場した年と言えるかもしれない。

 2004年のゲームは、コンセプト、音響効果、音楽、グラフィックス、ゲームプレイ、ストーリーラインの点において、ジャンルが明確に分かれていた1980年代半ばのゲームにはほとんど見られなかった新しい分野を生み出した。新たなゲームでは多種多様なキャラクターが主役を演じ、しかもその多くは人間ではない。プレイヤーは、ゴキブリからボウリングのボール、あるいはゼラチン状の塊となってゲームに参加しなければならない。

 以下に、今年登場した筆者お気に入りのPCゲームを5つ挙げた。これは決して完全なリストではなく、あくまでも5つに限定した結果である。

Orbz:プレイヤーはマーブルシューターをコントロールし、非常に強力な力でマーブル玉を天高く飛ばす。空をさまようターゲットをできるだけ多く撃ち落とすことがプレイヤーの任務となる。プレイ中には予期せぬことも幾つか起きる。以上が、21-6が開発したOrbzの基本的な要旨だ。

 プレイヤーの任務はどんどん難しくなり、弾道計算をマスターしなければならなくなる。しかし射撃能力が上達してくれば、Orbzは時間とスコアとの戦いに熱狂できるゲームだ。

 価格は20ドル。Windows、Mac OS、Linuxに対応。フリーデモ版はこちらから。

RocketBowl:Orbzが「狙って撃つ」という比較的シンプルなコンセプトのゲームであるのに対し、RocketBowlはそれに10ピンボウリングゲームの要素が加わる。

 プレイヤーは、ゴルフコースのような広大で開放的な場所でボウリングのボールをコントロールする。従来のボウリングゲームと同じように、10ピンを倒すのに2回ボールを投げられる。ただしRocketBowlではピンがあまりにも複雑なコースに置かれているため、ターゲットのピンから少しでも狙いを外したほうがほぼ確実にピンを倒すことができる。丘やその他の障害物で視野が遮られることがあり、Orbzに比べて標的を倒すのが難しいかも。しかしRocketBowlは従来のボウリングの概念を楽しく覆してくれるゲームだ。

 RocketBowlはPC対応で価格は20ドル。無料ダウンロードはこちらから。

Gish:「ドンキーコング」などの古典的なプラットフォーマー系ゲームでは、実世界と同じ物理的状態を前提にしている。プレイヤーは、大きなゴリラが建設現場の樽を転がして武器にするという架空の物語を受け入れるが、マリオは物理法則に従わなければならず、崖から落ちて死なないようにしなくてはならない。

 Gishは違う。プレーヤーがコントロールするのはゼラチン質の黒い塊で、表面上を転がり、飛び上がって別の物体にくっつくことができる。操作レベルはどんどん難しくなり、坂を上ったり、勢いと粘着力を使いながらゴールに向かう。

 価格は40ドル。Windows、Mac OS、Linuxに対応。フリーデモ版はこちらから。

Bad Mojo:1996年に登場し、奇妙なPCゲームの愛好家の間で定番となったバグゲームが帰ってきた。Bad Mojoでは、プレイヤーはあるモノの運転席に座り、すぐには忘れられないドライブに出る――ゴキブリの運転だ。

 プレーヤーはゴキブリを操縦して、「サンフランシスコのある荒れ果てたビルディングの不気味で入り組んだ世界」を探訪すると開発元のマーケティング資料には書かれている。「不気味」なものほとんどないが、「入り組んだ世界」というのは十分納得がいく。日常生活では当たり前に思っていたことに気付かされることだろう。例えば、小さな水溜まりがゴキブリにとっては渡れない堀になる。8年経った今でも、ゴキブリの操作はむずむずするものだ。

 価格は20ドルでPCとMacに対応。パッケージ版のみが提供されており、注文はBadMojoRedux.comから。

塊魂:このゲームのストーリーは――宇宙の王様が、夜空に輝くすべての星をうっかり破壊してしまった。新しく星を創るか、あるいは小さな王子に「塊」と呼ばれる強力な吸着力を持つボールを持たせて地球に送り込み、あらゆるモノをそのボールに取り込ませるかしかない。この難しいトリップゲームのクリエイターの一人なら、答えはいつも決まって後者になるはずだ。

 ゲームを始めればこのゲームタイトルの意味が分かるだろう。まず最初は画鋲や消しゴムを転がし集めて小さな塊を作ることから始まり、ゆっくりとしたペースで十分な大きさの「塊」を造る。王様は出来上がった1つ1つの塊で星を創る。王様に悲しい顔をさせないためにも、頑張らなければならない。

 素晴らしいサウンドトラックとイエローサブマリン的なセンスのファッションとスタイルを備えた塊魂は、文句なしに、今年登場した最も奇妙で楽しいゲームだ。

 価格は30ドル、プレイステーション2に対応。詳細情報はこちらから。

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