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そばに置きたくなるワイヤレス液晶テレビ――±0「8-inch LCD TV」魅惑のデザイン家電(2/3 ページ)

» 2005年06月11日 21時02分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 液晶テレビ本体を上から眺めると、横幅と奥行きが同じくらいある。実はブラウン管のお尻のほうは取り外し可能なキャップになっていて、ちょっとひねると外れる。この中にACアダプタを繋ぐ端子やコンポジットの外部入力があり、キャップを付けるとお尻からケーブル類だけが伸びる仕組みだ。ブラウン管の尻すぼみな形を利用して、AVケーブルの端子部分をうまく隠したというわけ。

photo ゲーム機などを接続するのに便利な「入力3」。しかし、ヘッドフォン端子もお尻にあるというのは使い勝手が悪そう
photo ケーブル類を接続してキャップを付けると、うまく端子部分が隠れる。隠したい部分を隠せるのは嬉しい

 上面にはチャンネルや音量調節などの操作ボタンが並んでいるが、そのほかはいたってシンプル。全体の柔らかい曲線を邪魔するものは少ない。正面はほぼ真っ黒で、電源をいれると小さなLEDが点灯する程度だ。内蔵のステレオスピーカーもしっかり隠されており、その存在を示すのは筐体表面のスリットだけ。シンプルな外観のイメージを壊さないよう、機能部分の配置にも拘っているようだ。

 無線伝送には、IEEE 802.11b準拠のデジタル無線を使用する。TVチューナー(地上アナログ放送)は送信機側に搭載しており、外部入力や内蔵チューナーの映像をMPEG-2にリアルタイムエンコードしてワイヤレス伝送する仕組みだ。バッテリーは内蔵していないためコンセントのある場所に限られるものの、電波の届く範囲で自由に持ち運べる。

photo 本体メニューでは距離を3段階から選択可。近くすると映像のビットレートが上がる

 ご覧の通り、送信機も極めてシンプルなデザインで、正面には電源ボタンとLEDしかない。上面に浮き彫りになった±0のロゴがカッコイイ。ただ、一目でわかるプラスチック筐体のため、金属パネル中心のAVラックに並べると少し違和感を感じるかもしれない。

photo やっぱりシンプルな送信機。外形寸法は230(幅)×115(奥行き)×40(高さ)ミリ。重量は620グラム

 送信機の背面には、RF端子にくわえ、S端子付きの外部入力が1系統、コンポジットのみの外部入力が1系統、そしてS端子付きのモニター出力が用意されている。テレビ本体にあるコンポジット端子と合わせ、外部入力は計3系統。から、入力端子の数は十分以上と思われる。

 テレビ本体の電源を入れると、まず送信機をサーチし、電波強度を文字の色で知らせてくれる。電波が強ければ青で「受信中」、弱いときは黄色になる。電波が届かないときは「圏外」だ。無線の伝送距離は見通しで約30メートル。壁などの透過性もIEEE 802.11bと同等で、木製の扉を2つ挟んだ場所でもしっかりと青で「受信中」と出た(直線距離は10メートルほど)。

photo カード型のリモコン。ボタンは押しやすいサイズで、必要最小限に絞っている

 付属のリモコンはカードタイプのシンプルなもので、テレビの基本操作や設定だけに用途を絞っている。単にワイヤレステレビとして使うのなら、これだけで十分だ。そして、送信機に接続した外部機器を操作したいときは、外部機器のリモコンをテレビと一緒に持ち歩けばいい。テレビ本体に向けて外部機器のリモコンを押せば、リモコン信号をそのまま無線伝送してくれる。

 付属の「ビデオコントローラ」(いわゆるAVマウス)を送信機に繋ぎ、赤外線発光部をDVDプレーヤーなどの外部機器に向けておく。すると、テレビ側で受信した赤外線信号をバススルーして、外部機器まで伝える仕組みだ。この場合、リモコンを持ち歩くという面倒はあるものの、プリセット式と違って操作の制限がなく、特別な設定作業もいらない。今回は、東芝製のDVDレコーダー、松下電器製のCATVセットトップボックス、パイオニアのLD&DVDコンパチプレーヤーなどで実際に試してみたが、問題なく機能した。

photo CATV STBのGUIを表示したところ

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