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スペースシャトルミッション、Webへ

» 2005年07月14日 10時04分 公開
[IDG Japan]
IDG

 7月13日に予定されていたスペースシャトル「ディスカバリー号」の打ち上げ(訳注:当日延期された)は、2003年2月に起きたコロンビア号の爆発事故以来の大気圏再突入となるはずだった。この打ち上げに向け、3社がライブの最新情報をWebサイトとビデオフィードで提供するべく取り組んでいた。

 米航空宇宙局(NASA)のWebサイトをホスティングする企業向けWebホスティングベンダーのVeriCenterは、予想されるビジターの高い需要に応えるためにインフラを増強したと発表した。一方Yahoo!は、打ち上げから着陸まで、ミッションの無料ライブストリーミングビデオをWindows Media Playerユーザーに提供するためにNASAと契約を結んだ。

 Webコンテンツ技術のAkamai Technologiesは、NASA TVビデオフィードをRealNetworksのRealPlayerユーザー向けにストリーミング配信し、ミッション中にNASAのWebサイトのほかのすべてのコンテンツを配信する予定だった。

 「宇宙、そしてそれに関するニュースはオンラインで信じられないほど人気が高い。これまでも常にそうだった」とYahoo!のコンテンツ事業部長スコット・ムーア氏は語っていた。「われわれは今回の打ち上げとミッションが、ユーザーから莫大な関心を集めると信じている」

 Yahoo!はNASAのライブビデオフィードを直接ダラスのデータセンターに送信し、そこからフィードをユーザーに転送する予定だ。このデータセンターは、需要に対応できるよう最大50Gバイト/秒のスループットを用意したとムーア氏。

 ユーザーは、NASAとYahoo!のロゴが入った共同ブランドの特別なWindows Media Playerでビデオフィードを視聴できるとムーア氏は説明した。「当社ユーザーの関心が大きいことは分かっている。このストリームを無料で提供することで世間に奉仕することになると思う」

 NASAの宇宙事業副部長ウィリアム・レディ氏は、同局は「これだけ広範な情報を届けられることに喜んでいる」と声明文で述べた。

 「インターネットユーザーは、打ち上げから着陸まで、宇宙遊泳を含むすべての出来事を見ることができる。今回の契約のおかげで、納税者に追加のコストを負担させずにそうすることができる」(レディ氏)

 VeriCenterの社長兼CEO、グレイ・ホール氏は、同社は2003年12月に通信会社Sprintのマネージドホスティング事業E-Solutionsを買収して以来、NASAのサイトをホスティングしてきたと語った。先週、観測機をテンペル第一彗星に衝突させたディープインパクトのミッションは、NASAのWebサイトに約8000万のページビュー、24時間に10億ヒットをもたらしたという(7月6日の記事参照)

 「どんな規模のWebサイト・ポータルにとっても非常に高い数字だ。(ディスカバリー号の)Return to Flightミッションでは再びそうした現象が起きるだろう」(ホール氏)

 VeriCenterはWebホスティング事業を支え、サービスを確実に動かし続けるために全米7カ所にデータセンターを持っていると同氏。

 同社がNASAのサイトをホスティングする手助けをしているのが、Webコンテンツの管理・配信ソフトを提供するeTouch Systemsだ。eTouchは、同社ソフトによってNASAはデータをキャッシュし、ピーク時にWebサーバへの直接の影響を減らすことができると語った。

 12日間のミッションでは、コロンビア号事故を受けてシャトルの安全性を改善し、国際宇宙ステーションへの供給を行うための新しいハードや技術のテストが行われる。

 VeriCenterはNASA本部、ジェット推進研究所、マーシャル宇宙飛行センター、グレン研究所、エイムズ研究所のWebサイトもホスティングしている。

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