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高精細液晶+大容量HDDで快適ムービー鑑賞――クリエイティブ「Zen Vision」レビュー(4/4 ページ)

» 2005年10月12日 18時53分 公開
[渡邊宏,ITmedia]
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 もうひとつの目玉といえる機能がCFカードスロットの利用可能なフォトビューワ機能だ。フォトビューワ機能は最大で800万画素までのJPEG画像を表示可能で、1画面に35枚のサムネイルを表示することもできる。

photo フォトビューワ画面

 CFカードからコピーして本体の液晶で表示できるデータはJPEGのみで、メインメニューの「CFカード」から「CFからコピー」「CFから追加」を選択することで本体のHDDへデータをコピーできる。コピーした画像データはメインメニューを「フォト」-「インポートしたファイル」とたどることで参照できる。項目名も分かりやすく、初めて操作する際にも戸惑うことはないだろう。

 PCからコピーしたデータは、「フォト」-「写真」とたどることで参照するようになっているので、すべての写真を一覧表示するという機能は持っていない。デジタル一眼レフなどとあわせて持ち歩くポータブルフォトストレージとしての利用を考えると、あえてPC経由とCFカード経由のデータ表示方法を分けたこの方式は正解だろう。

photo CFカードスロットを利用してCFカードのデータを吸い上げることができる

 液晶のクオリティが高いおかげで表示品質は良好なのだが、1つのフォルダに高画素の画像データを多く収納すると、サムネイル表示レスポンスが鈍くなる傾向がある。EOS KissデジタルNで撮影したLarge/Fine(3456×2304ピクセル)の画像を200枚ほどコピーしたところ、1画面(35枚)のサムネイルが表示されるまで、ふた呼吸ほどの時間がかかった。200万〜300万画素レベルのファイルでは快適で、2回目以降はキャッシュが効くせいかあまり気にはならないのが、もう少しがんばって欲しかったというのが正直な感想だ。

photo サムネイル表示

 そのほか、録音可能なFMラジオやボイスレコーディング、時計、OutLookの予定表など転送して本体の液晶で確認できる「オーガナイザー」などの機能も備える。

photo FMラジオ(左)とOutLookの予定表などを表示できる「オーガナイザー」。FMラジオはヘッドフォンケーブルをアンテナとして利用するので、利用時にはヘッドフォンを接続しておく必要がある

 本製品でメインとなるビデオプレーヤーとしての完成度は非常に高い。液晶画面のクオリティや操作インタフェース/レスポンスについては十分に満足のできるレベルに仕上がっている。ヘッドフォンでの視聴を前提としているためか、内蔵スピーカーはプアな印象をぬぐえないが、付属ヘッドフォンは高クオリティで、快適な視聴を楽しめる。

photo 付属ヘッドフォン。最近よく見られるバーが長いタイプで、一昔前の同社付属ヘッドフォンとは隔世の感すらある高クオリティ

 しかし、動画のファイル形式によって扱いが異なる点はマイナスだ。特に高解像度のMPEG-2/WMAをそのまま再生できないのはせっかくの高精細液晶を活用できない。市販PCで多く採用されている録画環境がMPEG-2であることを考えると、これで高解像度/高ビットレートなMPEG-2への対応が充実していれば携帯動画プレーヤーの決定版となりうるだけに、この点だけは残念でならない。

 だが、付属ソフトには各種動画ファイルを視聴可能なWMAへ変換する機能も付属しているほか、DivXについてはある程度、高解像度のまま転送しても表示可能なので、DivXで動画ライブラリを構築しているユーザーには大きなアピールポイントになる。30GバイトというHDDは動画/音楽/写真のすべてに本製品を活用するに十分なサイズであり、毎日携帯する“マルチ”プレーヤーを探しているユーザーにとって検討に値する製品といえる。

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