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1996年に日本で大ヒットし、社交ダンスブームまで巻き起こした周防正行監督の『Shall weダンス?』。あの「シャル、ウィ〜、ダンス♪」という主題歌は、聞けばおそらく「ああ、アレね」と分かるはず。そんな日本中が心躍らせた名作を、役所広司が演じたサラリーマン役にリチャード・ギア、草刈民代が演じたダンス講師役にジェニファー・ロペスという豪華スター競演でハリウッド・リメイク。
遺言書の作成を専門に扱う弁護士ジョン・クラーク(ギア)。シカゴで暮らす彼は、高級デパートで働くキャリアウーマンの妻ビヴァリー(スーザン・サランドン)と子供ふたりに囲まれて、幸福な日々を過ごしていたが、心のどこかで空しさをいつも感じていた。そんなある日、通勤電車からぼんやり外を眺めていたジョンは、ダンス教室の窓辺にたたずむ美しい女性ポリーナ(ロペス)の姿に目を奪われる。物憂げな彼女のことが頭から離れず、思い切ってダンス教室へ足を踏み入れたジョンは、その女性がダンス教師だと知り成り行きで入門コースに入ることに。ダンスの楽しさを知ったジョンは、教室に通うシングルマザーの中年女性から、ポリーナが1年前のダンス大会で挫折を経験し、パートナーだった恋人とも別れたことを聞かされる。その頃、夫の変化に複雑な感情を抱いたビヴァリーは探偵に浮気調査を依頼して……。
仕事も家庭も順調で日々を何となく生きてきた中年サラリーマンが、ふとしたきっかけで社交ダンスにハマり、人生の輝きを取り戻していくという展開はオリジナル版をほぼ踏襲。違いはというと、主人公の設定が平凡なサラリーマン家庭から、弁護士で妻はキャリアウーマンという、いかにもアメリカ的になったこと。そして、ダンスにあまり免疫のない日本人向けらしく、堅物の中年男性がダンスに夢中になっていくことの面白さが笑いと共感を呼んだオリジナル版に対し、高校のプロムを始めダンスがメジャーなアメリカ向けの本作では、家族の絆や夫婦愛を盛り込むことで、よりロマンチックでハッピーな余韻を残している。オリジナル版とハリウッド版を見比べることで、文化の違いや両作品の面白さがクリアになるかも。
『シカゴ』でも華麗なステップをみせた主演のリチャード・ギアは、1500時間もの特訓を重ね、ここでも吹替えなしのダンスを披露。『プリティ・ウーマン』を思わせるキザなセリフや行動も、なぜか彼ならば許せてしまうジェントルマンぶりも健在である。『メイド・イン・マンハッタン』のジェニファー・ロペスも好演。脇を固めるのは『ムーンライト・マイル』『デッドマン・ウォーキング』の演技派スーザン・サランドンほか、竹中直人にひけをとらないコミカル演技をみせるスタンリー・トゥッチら。監督は『マイ・フレンド・メモリー』『セレンディピティ』のピーター・チェルソム。
2枚組のDVDには、ピーター・チェルソム監督のコメンタリーほか、主要キャスト・スタッフのインタビューや撮影風景を収めたメイキング、リハーサル風景、ダンス史の歴史を振り返るボールルームダンス講座など華麗なダンスの裏側を堪能できる特典を収録している。
関連サイト:http://www.shallwedance-movie.jp/#(公式サイト)
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