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24ミリからの広角レンズを搭載した高倍率機――コダック「P880」レビュー(3/4 ページ)

» 2006年01月13日 14時28分 公開
[市原達也,ITmedia]

プリンタドックにも対応

 コダックの製品らしく、プリンタードックに対応に対応している。このサイズでは800万画素の性能は生かせないが、大きくプリントする前の見本プリントにプリンタドックは最適とメーカーでは言っている。いわゆる、「ポラ」のように「こんな感じに撮影された」という確認や、人に見せるために便利だということである。ちょっと強引な感じはするものの、ほかのコダックデジタルカメラと同様にプリンタードックにP880を乗せてプリントするだけでよいので、手軽で簡単にプリントできることは間違いない。

 PictBridgeにも対応しているので、PictBridge対応のプリンターでもパソコンなしでプリントすることは可能だ。

photo プリンタードックにP880を搭載した状態。用紙の選択ミスなどもなく、簡単に利用できるのが特徴だ

夜景は夜景モードかマニュアルモードで撮影

 撮影モードは「オート」「プログラム」「シャッター速度優先」「絞り優先」「マニュアル」のほかにシーンモードがある。シーンモードは「ポートレート」「夜景ポートレート」「手ブレ防止夜景ポートレート」「遠景」「夜景」「ビーチ」「スノー」「スポーツ」「フラワー(マクロ)」「スーパーマクロ」「パーティー」「書類モード」「マナー/美術館」「サンセット」「キャンドルライト」「逆光」と豊富にそろっている。マクロ撮影はシーンモード以外にもフォーカスモードで設定できるので、絞り優先やシャッター速度優先モードなどで利用可能だ。

photo 撮影モードダイヤルにはよく使いそうなシーンモードがあり、そのほかは「SCN」に設定してからシーンモードを選ぶ
photo シーンモードは選択時に文章で説明が表示される

 撮影していて気になったのが夜景の撮影だ。プログラムモードや絞り優先モードで撮影すると、シャッター速度が1/2秒以下にならないのである。もちろん、露出アンダーだと赤い文字で露出が表示されるので撮影前に状況を把握できるが、適正露出で撮影するには撮影モードを変更する必要がある。シャッター速度優先やマニュアル撮影、夜景モードで撮影すれば最大16秒、マニュアル撮影の「Bulb」では最大1分までのシャッター速度で撮影できる。1/2秒以下ではノイズ軽減処理が行われるので、そのための設定だと思われるが、ノイズ軽減処理が行われても1/2秒以下に設定できるとよかった。

レンズ性能は予想以上によい

 画質はコントラストがやや高めで、明るい場所が見た目よりも明るく写り、暗い場所はより暗く写る。明るい色の被写体は色飽和しやすいようだ。全体的には、明るい部分がやや飛び気味で写ることが多いほかは十分な画質と言える。

 レンズは広角側で予想以上にしっかりとしていた。周辺光量の落ち込みもそれほど大きくなく、歪みなども少ない。6万円台のカメラで24ミリからの高倍率ズームレンズだから写りはまったく期待していなかったが、いい意味で裏切られた。望遠側でも色ずれはほとんどなく、値段を考えれば十分な性能である。

 初めてこのクラスのレンズを使った人は広角撮影時に隅のほうがゆがんでいるように見えるかもしれないが、24ミリからの高倍率ズームレンズとしては十分といえるだろう。広角レンズでは画像の隅が放射状に流れて写るレンズもあるが、そういった現象もこのレンズではそれほど気にならなかった。

 このカメラの最大の特徴はレンズのズーム域だろう。特に24ミリの広角域はクセも少なく使いやすい。屋内の狭い場所はもちろん、風景写真でも楽しく撮影できるだろう。被写体に暗い部分があると、白い部分が飛びやすい傾向にあるが、これが気にならなければ選択候補として考える価値は十分にある。

 細かな点では気になる所もあるが、大きな魅力のある製品といえる。このクラスのデジタルカメラを探している人はぜひとも店頭で触れてみてほしい。

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