コンテンツ海外流通促進機構(CODA)は6月1日、同機構が促進する著作権保護への取り組みとコンテンツビジネスについての中長期ビジョンを発表、2004年から導入した「CJマーク」を利用しての海賊版対策も強化していくことも明らかにした。
CODAは海賊版対策を柱に、海外におけるコンテンツビジネスを促進するため2003年に設立された民間組織で、音楽/映像/アニメ/ゲームなどの製作および流通業者など20団体22社で構成されている。代表幹事は日本映像ソフト協会 会長の角川歴彦氏。
発表された中長期ビジョンでは、2010年年度末までの中期目標として「アジア市場の開拓、欧米市場へのさらなる拡大展開」、2015年度末までの長期目標には「海外において日本のコンテンツを安定的に流通・保護・活用できるビジネスモデルを構築する」を挙げている。
具体的な活動は、コンテンツ著作権についての啓蒙活動や日本製コンテンツの知名度向上、ビジネスモデルの構築などだが、やはり大きなウエイトを占めるのが海賊版対策。海賊版を扱う業者や製造者については「税関や警察などの取締機関と連携し、徹底的に排除する」(角川氏)と強い姿勢で臨むことを示している。
CODAは2004年9月に「コンテンツ海外流通マーク(CJマーク)」を作成、ビデオやゲームソフトのパッケージなどにプリントすることで商標権を利用した海賊版対策として利用してきたが、今後は映画のエンドロールにもCJマークを掲載し、映像がコピーされてネットなどに配信された場合にも「商標権侵害」として対処する。
これまで、海賊版著作物を取り締まるための法的根拠はほぼ著作権法に委ねられていたが、著作権法を根拠に海外生産される海賊版を取り締まるには、権利者が製造工場を確認するなどの確認が必要(実証責任)であり、大きな組織でなければ実質的にその作業は不可能だった。商標であるCJマークを付与することで、マークごとコピーされれば商標権侵害、マークが削除されたらば製品品質法違反や著作権法違反として違法性を追求できることになる。
「ガメラ 小さき勇者たち」「TRICK 2」「タイヨウのうた」「花よりもなほ」などの作品には既にエンドロールにCJマークが掲載されており、CODAでは今後、その作品が海外展開するしないにかかわらず、映倫マークと同様の普及を目指すとしている。
なお、CODA2005年度に中国や香港、台湾の現地当局に依頼し、摘発した海賊版は約228万枚で、市場価格に換算すると総額29億6000万円に相当するという。3カ国での取り締まり件数は1091件、逮捕者も515人を数えている。
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