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ワンセグ視聴は満足、録画は不満――「gigabeat V30T」レビュー(2/4 ページ)

» 2006年07月28日 02時37分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

ワンセグの受信感度は良好

 電源を入れると、「マイテレビ」「マイミュージック」「マイピクチャ」「マイビデオ」「マイビデオ」「ワンセグ」「設定」と並ぶメインメニューが現れる。OSにWindows PMCを採用していていることもあり、Windows Media Center Edition(Windows MCE)とほぼ同等のメニュー構成だ。既に発売されているgigabeat S60V(レビュー)のメニューに「ワンセグ」を追加した構成ともいえる。

photophoto メインメニューの下から2番目に「ワンセグ」の項目が見える(左)。地域設定画面(右)

 「ワンセグ」を選択すると、「TV視聴」「録画番組再生」「ワンセグ設定」の項目が現れるので、ワンセグを視聴したい場合は「TV視聴」を選択すればよい。初回起動時のみはチャンネル設定(視聴地域設定)を行う必要があるが、2回目からはキャンセルされる。視聴地域は3カ所までが登録可能だ。なお、「ワンセグ設定」からは設定の初期化と、録画ファイルの消去(録画については後述)が行える。

 Windows MCE搭載PCと接続すれば、PCで録画したTV番組が「マイテレビ」の項目に収められる。しかし、Windows MCEが日本でほとんど普及していない状況を考えると、この項目には意味がない(東芝自身が国内ではWindows MCE搭載PCを発売していない)。使用時の混乱を避ける意味でも、「マイテレビ」の項目は無くすべきだと感じた。

 「TV視聴」を選択してから実際に画面が映るまでには5秒ほどの時間が必要で、電波状態が不安定だと10秒近くかかる場合もある。それに、チャンネル移動にも4〜5秒必要で、快適にザッピングすることはできない。地上デジタル放送でも同様の傾向があり、起動時間がかかることやチャンネル移動が素早くできないことはデジタル放送全般に共通することではあるが、やはりストレスは感じる。

 ワンセグが映し出された状態で十字キーを上下に操作するとチャンネルを移行でき、左右に倒すと視聴中の番組情報や、選択中の局の番組表を見ることができるのだが、同時間帯の全チャンネルの番組表を表示することはできない。同じワンセグ機器でも車載用製品では、番組表を見ながら選局可能な製品が多いだけに不便に感じてしまう(関連記事:箱根の山でもワンセグ放送は受信できるか)

photophoto 視聴中の番組情報(左)と番組表(右)

 伸縮自在のアンテナが内蔵されているおかげか、受信状態はおおむね良好。鉄筋コンクリートの自宅マンション(東京都世田谷区)と、編集部のあるオフィスビル(東京都千代田区)のいずれでも問題なく視聴できた。ただし、編集部ではアンテナを収納してしまうと受信が安定しなかった。

 肝心の画質だが、携帯機器にしては大型の3.5インチ液晶に320×240ピクセルのワンセグ放送を映し出しているので、解像感はあまり高くない。動きの速い映像では残像感を感じることもある。字幕の判別に問題が生じるほどではないが、画面右肩に表示されることのあるキャッチなどは読みにくく感じる。ただ、液晶自体の輝度は高く、発色も良いため、ある程度(30〜40センチ)の視聴距離を取れば、十分にテレビとして楽しめる。

 字幕を伴う放送を受信している場合には、画面下に字幕が2行で表示される(字幕表示はオフにも設定できる)。字幕のフォントはやや独特な感じのものだが、視認性は高く、音声をオフにしていても番組の内容をほぼ確実に認識できる。ちなみに、液晶パネル自体のアスペクト比は4:3だが、ソフト的なズーム機能などは備えていないため、16:9の映像を受信しているときには上下に黒帯が現れる。

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