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高倍率で高画素のハイエンドデジカメ――「LUMIX DMC-FZ50」(2/4 ページ)

» 2006年08月29日 13時52分 公開
[永山昌克,ITmedia]

手ブレ補正に加えて被写体ブレ対策を強化

 画素数以外の改良としては、画像処理エンジンがバージョンアップし、「ビーナスエンジンIII」になったことが挙げられる。エンジンのノイズリダクション機能が特に強化され、設定できる最高感度はISO400からISO1600に引き上げられた。

 感度メニューの項目は、オート/インテリジェント/ISO100/200/400/800/1600の7段階から選べる。オートとは、周囲の明るさに応じて感度がISO100〜200の間で自動調整される機能。インテリジェントとは、正確には「インテリジェントISO感度コントロール」と呼ぶ新機能である。明るさだけでなく被写体の動きをカメラが判断し、ブレの危険が少ない場合は低感度になり、手ブレや被写体ブレの危険がある場合は最高ISO800まで自動アップする。

 ノイズリダクションが強化したので、高感度時のざらつきはかなり抑えられているが、その半面、画像の解像感が損なわれるデメリットを感じる。最低感度のISO100では、さすが1010万画素と思わせる高画質だが、感度を上げるにしたがって細部の再現性が悪くなる。どの感度までを許せるかは用途によって異なるが、等倍鑑賞派のわたしとしては、なるべくISO100で撮りたいと思う。もちろん低感度では被写体ブレを防げないシーンもあるので、選択肢としてISO1600までを選べることは心強い。

 さらに高い感度として、シーンモードの「高感度」を選んだ場合には、最高ISO3200まで自動アップする。通常モードの高感度で行われるノイズリダクション処理とは異なり、このシーンモードの「高感度」では周辺の画素からRGB情報を混合することで感度を高めている。通常モードの最高ISO1600よりも、このISO3200のほうがざらつきが少なく、彩度の低下も抑えられている。ただし、解像感はまったくなく、等倍での鑑賞にはまるで適さない。

 このシーンモードの「高感度」については、メーカー自身が「Lサイズ程度の通常のプリントサイズ用として適した画質」と、ことわりを入れている。せっかくの1010万画素機なのに、Lサイズ推奨とは寂しい。

メニュー画面からISO感度を選んだ状態。メニューからのアクセスのほか、FUNCTIONボタンを押し、感度の設定画面を直接呼び出すこともできる
感度別の画質を比較。左上から順にISO100/200/400/800/1600で撮影。露出やホワイトバランスはマニュアルで設定した
撮影モードを「プログラムAE」にして、感度を「オート」に設定。ISO200まで自動アップし、シャッター速度は1/2.5秒になった(左) 撮影モードを「プログラムAE」にして、感度を「インテリジェント」に設定。ISO800まで自動アップし、シャッター速度は1/10秒になった(右)
撮影モードを「プログラムAE」にして、感度を手動で選べる最高感度のISO1600に設定。シャッター速度は1/20秒になった(左) 撮影モードを「シーンモードの高感度」に設定。ISO3200まで自動アップし、シャッター速度は1/40秒になった。これがメーカーLサイズ推奨の画質(右)

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