本来、ケータイ電話にごく普通の「RGB出力端子」が装備されていれば、話は簡単だが、多少異なるビデオテクノロジーや、ケータイの本体サイズやトータルコストから言って今すぐそれを実現するには、相当堅い市場の読みが必要だ。
本日ご紹介するMOBILITY ELECTRONICS社の「Pitch Duo」(ピッチデュオ、価格はオープンプライス)と呼ばれる商品も、本来ケータイ電話の為に開発されたモノではなく、米国内においてPDA市場の華やかな頃、PDAの画面をプロジェクターに投影するのが目的で開発されたニッチ市場をターゲットにした商品だ。
モバイルPCでプレゼンテーションを行うには、目的の会議室にプロジェクターや汎用のRGBケーブルが在ることを前提とするので、プレゼンテーターはモバイルPC本体と必要に応じてACアダプタを持ち歩くことになるだろう。
筆者のケースなら、現在使っているThinkPad X60s本体が、約1250グラム、そして、ACアダプターがケーブル込みで約300グラム、両者で約1.5キログラムをプレゼンテーションのために持ち歩く計算となる。パワータイピングが必須の超巨大メールを除けば、ビジネス上、一時的でクイックなレスポンスが要求されるメールもケータイメールのレスで必要十分だ。本格的な返事は、帰社してから、あるいは翌日のオフィスからでも、人類滅亡の危機はないはずだ。
モバイルPCをオフィスや自宅に残した筆者の「ケータイでプレゼン!」の場合は、W-ZERO3esとPitch Duo、専用ACアダプタ(必須)、USBケーブルを合わせて、540グラム。もし、出張先やクライアント先で快適なキー入力も必要なら、市販のUSBキーボードやUSB変換ケーブルなどを加えて、約680グラムとなり、それでも、まだまだモバイルPCより遙かに軽量だ。
W-ZERO3esのHP100LXのようなキータッチは秀逸だが、ホテルなどの部屋で落ち着いてそこそこの文章入力を前提にした場合は、市販のごく小型のUSB接続のキーボードによる文字入力が快適で安心だ。
Pitch DuoをW-ZERO3と接続するには、W-ZERO3に同梱のUSBケーブルを使用するので、新たにUSBケーブルを購入する必要はない。Pitch Duo本体前面には、IrDA準拠の大きな赤外線受光部が標準搭載されているが、もちろん赤外線通信機能を搭載していないW-ZERO3では使用しない。また、W-ZERO3とは関係がないが、Bluetooth搭載のその他のPDA機器がPitch Duoとコミュニケーションするために、Pitch Duo上で使用する「Bluetooth USBスティック」もPitch Duoには同梱されている。
Pitch Duo本体の背面には、標準のRGB出力端子とそれを挟んで左右に、PS/2キーボード端子と、PS/2マウス端子が並んでいる。「ケータイでプレゼン!」では中央のRGB端子を使用し、PS/2キーボード端子やPS/2マウス端子は、今回のケースでは使用できない。
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