(C)2007 蜷川組「さくらん」フィルムコミッティ (C)安野モヨコ/講談社 |
安野モヨコによる同名コミックを舞台演出家・蜷川幸雄の長女で、写真家の蜷川実花が初監督して映画化した「さくらん」が、特別版DVD(初回限定生産2枚組)として8月3日にDVDリリースされる。
本編ディスクの特典は土屋アンナ×安藤政信×蜷川実花×宇田充(プロデューサー)によるオーディオ・コメンタリーと予告編集。特典ディスクには約3カ月の撮影舞台裏に密着し、監督のこだわりやスタイリストらのインタビューを収めたメイキング、未使用シーン集、イベント映像集(制作発表記者会見、クランクアップ会見、ベルリン出陣!記者会見&完成披露試写会、名古屋「御園座」一大花魁道中&舞台挨拶、初日記者会見&舞台挨拶)、スペシャル番組集(「さくらん・極彩色青春絵巻」「さくらん・極彩色ワンダーランド・ツアー」)、海外出陣映像集(第57回ベルリン国際映画祭・正式上映、第31回香港国際映画祭・特別部門オープニング上映、イギリスTV局による蜷川実花インタビュー)を収録。
8歳で江戸、吉原の玉菊屋に身売りされたきよ葉(土屋アンナ)は、負けん気が強く、女だらけのドロドロした世界に嫌気が差し、何度も脱走を試みる。その度に連れ戻されては折檻を受けるという異端児的存在だった。そんな折、玉菊屋一の人気花魁、粧ひ(菅野美穂)から女郎として一人前になる手ほどきを受け、吉原一の花魁を目指すことを決意する。
やがて17歳で遊女デビューを果たし、その美貌とカリスマ性で吉原中の話題となったきよ葉は、客の惣次郎(成宮寛貴)と本気の恋に落ちるが、嫉妬深い先輩花魁の高尾(木村佳乃)の策略により破局してしまう。失恋を乗り越え、花魁・日暮となったきよ葉の前に、裕福な武士の倉之助(椎名桔平)が現れて……。
体は売っても心は売らない、遊女であっても男にこびるわけではない。土屋アンナがべらんめえ調で演じるきよ葉は、「なめんじゃねえよ」と気に入らない相手には飛び蹴りをくらわし、自分の信じた道をひたすら突き進む。その姿は実に潔く気持ちいい。
金魚や花を印象的に画面に盛り込み、花魁の衣装にはゼブラ柄や蜷川監督の写真をプリント。独特の極彩色に彩られた吉原遊郭は、写真家・蜷川実花としてのこだわりで溢れている。ジャズからバラードまでを駆使した椎名林檎の音楽も、きよ葉の繊細な心を映し出しているようで、作品世界にピッタリ。
女性による女性のための映画だが、美しくも恐ろしくある女という生き物がリアルに描かれているので、男性にも怖いもの見たさで是非とも鑑賞してほしい。
関連サイト:
http://www.sakuran-themovie.com/(公式サイト)
|
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR