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HDオーディオに“3次元”CINEMA DSP――ヤマハの新世代AVアンプ「DSP-AX3800」(1/2 ページ)

» 2007年08月09日 13時00分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 ヤマハは8月9日、AVアンプの新製品「DSP-AX3800」と「DSP-AX1800」を発表した。HDMI 1.3a対応の入出力端子を備え、次世代DVDのHDオーディオのデコードをサポートしたほか、上位モデルのAX3800では独自の「CINEMA DSP Plus」に「3Dモード」を追加している。いずれも10月20日に発売する予定。価格はDSP-AX3800が25万7250円、DSP-AX1800は17万3250円。

photophoto 「DSP-AX3800」。フロントパネル内にビデオAUXやUSB端子を備えている

 DSP-AX3800は、昨年10月に登場した「DSP-AX2700」の後継となる中上位モデルだ。外観はロゴを除いて全く変わらず、エンボス加工の高剛性ボトムシャーシや鉄削り出し重量レッグ、内部のDB(ダブルボックス)コンストラクションやセンターフレームなど、基本的な構成とレイアウトを踏襲している。

 ただし、中身は大きく変化している。新たにDolby Digital PlusやDolby TrueHD、DTS-HD High Rezolusion、DTS-HD Master AudioといったBlu-ray/HD-DVDに採用されたサラウンドフォーマットのデコーダを搭載したほか、バージョン1.3a準拠のHDMI端子を入力4系統/出力1系統装備(AX1800は入力3)。Deep Color(30/36bit)やハイリフレッシュレート(100Hz/120Hz/24Hz)、オートリップシンクをサポートしており、パイオニアのBlu-rayプレーヤーなど1080/24P出力対応のプレーヤーと組み合わせればフィルムソースを間引くことなく再生できる。

photophoto HDMI端子は入力4系統、出力1系統。コンポジットビデオやS端子で入力したアナログ映像信号を1080pにアップスケールして出力できる

 アンプ部は完全ディスクリート構造の140ワット×7chパワーアンプを内蔵(AX1800は130ワット)。サラウンドプログラムによってプレゼンスとサラウンドバックを自動的に切り替える独自のデュアル7.1chシステムのほか、2ch再生時にはフロントスピーカーのバイアンプ駆動にも対応する。

 ビデオスケーラーは「DSP-AX2700」と同じ米アンカーベイ・テクノロジーズの「ABT1010」だが、アナログ映像信号を1080pにアップコンバートできる点が新しい。コンポジット端子などで入力した480i/480Pの信号を1080PまでアップスケールしてHDMI出力可能。この機能は下位モデルのDSP-AX1800にも搭載されている。

 またI/P変換に関しては、ABT1010に統合されている同機能をあえて使用せず、初めて国産の専用I/P変換デバイスを使用した。メーカーなどの詳細は非公開ながら、“動き適応型”のプログレッシブ変換をサポート。画素単位の動き量をリアルタイムに検出し、その量に応じて領域ごとに最適なIP変換処理を行う。

 動きの激しい場合には、斜め方向の相関・傾斜を検出し、相関が強い部分は傾斜に応じた補間を行うことでジャギーの発生を抑える“斜め補間制御”にも対応。一方、3-2/2-2プルダウンが検出されると自動的に動き適応IP変換モードからプログレッシブモードに移行する。なお、プログレッシブ変換のオン/オフはコンポーネント出力とHDMI出力を個別に設定することができる。

 Pure Direct回路も新しくなった。今回はMP3やWMAといった圧縮音楽を含むすべての入力信号に対応。アナログ入力時にはDSPをキャンセルするほか、PCM音源はDAC直結として「最低限の経路」で出力できる。デジタル入力信号はLow Jitter PLL回路によるジッターの低減などで音質の向上を図った。

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