1980年頃、小学生くらいの男の子がほしがる玩具といえば、任天堂の「ゲームウォッチ」が定番だ。ただ、ちょっと別格の“憧れの玩具”として「電子ブロック」や「SPACEWARP」(スペースワープ)があったと記憶している。なんだかスゴイけど、自分に使いこなせるか分からないし、買うお金もない。知性のニオイと財力……SPACEWARPは一種のステイタスシンボルだったのだ。
その「SPACEWARP」が21年ぶりに復活したのは2005年2月。Webサイト「たのみこむ」に端を発し、バンダイが復刻版を発売すると“かつての子ども達”と“ホントの子ども達”の注目を集め、2007年9月末までに累計14万台を販売する人気商品となった。現在では「SPACEWARP Start」から「SPACEWARP 10000」まで4モデルを揃え、限定カラーまで登場。また各地のイベントに大規模なSPACEWARPを“建築”して集客に利用するといった動きもあり、かつての子どもとしては嬉しい限りだ。
しかし、今でもSPCEWARPは少しハードルが高い。十分に大人になって建築作業に関して問題ないと思われるし、一応は働いているので予算もある。だが、土地の問題だけはどうにもならない。大きなSPACEWARPを作ってみたいが、狭いワンルーム暮らしではなかなか踏ん切りがつかない。田舎の実家ならともかく、東京の地価は高いのだ。
今回取り上げる「SPACEWARP desktop」(スペースワープ・デスクトップ)は、そんな地価高騰の煽りを食ったかつての子ども達に紹介したい製品だ。SPACEWARPをコンパクトサイズに凝縮し、さらに“夜光球”によって夜も楽しめるインテリアトイに進化させた新世代のSPACEWARP。サイズは、建築済みの状態で380(幅)×232(高さ)×150(奥行き)ミリ。奥行きが短いから、机の上に置いてもあまり邪魔にならない。だから“desktop”だ。
では、さっそく建設作業に入ろう。
パッケージを開けると、いくつかのビニール袋に分類されてレールが収まっていた。袋の表面にはアルファベットと数字が書かれ、中のレールの種類がわかる。またレール自体にも「C1」などと番号が刻印されているので、確認しながら組み立てていけば間違いはない。
まずはベースにエレベーターやヤードのユニットをはめ込み、さらにレールを支持するサポートアームとポールを差し込む。工具も接着剤も必要ない。肝心のレールは、ジョイント部を「組み合わせて捻る」だけで接合が可能になっている。実際に組み立てるのは初めてなので、最初はおそるおそるレールを組み合わせて捻ったが、“カチッ”と音がしてはまったことが確認できた。接合した状態でレールを振っても外れない。確かに楽だ。
要領が分かればあとは説明書に従い、レールを下から順番に繋げていくだけ。着々と組み上がるSPACEWARPは、まるでミニチュアのジェットコースターのようだ。
難しいのは、ポールとポールの間でレールを接続する時くらいだろう。狭い場所での作業にイライラすることもあるが、ここは大人の余裕でクリアしたい。また、各パーツは微妙な傾斜まで計算して作られているので、左右を間違えるとまずい。説明書には丁寧な図が掲載されているので、よく見ながら作業を進める。
完成したSPACE WARP desktopは、夜の遊園地を彷彿とさせる。クリアパーツで構成された緻密な建造物は照明に美しく映える。今回は撮影しながらの組み立て作業だったが、かかった時間は正味30分程度。普通に作業すれば20分もあれば終わるだろう。
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