米Appleは3月6日、6月に正式版のリリースが予定されているソフトウェアアップデート「iPhone 2.0」のβ版を、一部の開発者と企業顧客向けにリリースすると発表した。iPhone 2.0のβ版は、iPhoneソフトウェア開発キット(SDK)に加え、データ同期サービスのMicrosoft Exchange ActiveSync、暗号化技術のCisco IPsec VPNなど、企業ユーザー向けサービスをサポートする機能を含んでいる。
iPhone SDKは、iPhoneおよびiPod touch向けのアプリケーションを開発するためのiPhone OS APIと各種ツールを提供する。iPhone SDKのβ版は無償でダウンロードでき(Apple IDによる開発者プログラムへの登録が必要)、Mac上で動くiPhone Simulatorで動作させることができる。
またAppleは同日、開発者プログラム「iPhone Developer Program」の立ち上げと、ユーザーがサードパーティー製アプリケーションをiPhoneおよびiPod touchで検索したり直接ダウンロード購入できるiTunes Storeのようなサービス「App Store」を発表した。
App Storeでは、開発者は自分のアプリケーションの価格を自由に設定(無料を含む)でき、売り上げの70%を得ることができる。企業ユーザーは自社の従業員のみがアクセスできるセキュアなダウンロード用ページをApp Store内に設置することができる。App Storeにアプリケーションを掲載するには、Appleの認可が必要だ。
β段階では、開発者プログラムに参加できるデベロッパーの数に上限が設定されている。開発者プログラムのメンバーには2種類あり、「Standard Program」は年間99ドルで、iPhone SDK、開発ツール、テクニカルサポート、iPhoneでテストするためのコードが入手でき、リリース前のiPhoneソフトウェアの利用、App Storeでのアプリケーション販売が可能。「Enterprise Program」は企業向けサポートが含まれ、年間299ドルとなる。
AppleはiPhone 2.0の正式版を、6月末までにリリースする計画。iPhoneユーザーは無料でアップデートできるが、iPod touchに適用する場合は有償になる。iPhone Developer Programはまず米国のみの運営となるが、今後対応国を拡大していく計画という。
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