もうひとつの特徴である無線LAN機能だが、これは前述したよう上位機種(16G/32Gバイトモデル)のみが備える機能だ。利用できるのは、PCからのストリーミング再生およびダウンロード保存とメッセージ交換機能。ストリーミング再生およびダウンロード保存については、添付ソフトの「Creative Centrale」をサーバソフトとして利用できる。
ただ、Creative Centraleは出荷時ではサーバ機能がオフになっているため、「設定」から「Creative Centrale Media Serverを有効にする」のチェックボックスをオンにしてやる必要がある。その後、プレーヤー側でネットワークのWEPキーなどを設定して、無線LANを有効にすれば、ストリーミング再生とダウンロードが可能になる。
小さなキーでWEPキーを入力するのはやや面倒だが、一度コネクションが確立してしまえばストリーミング再生とダウンロードは容易に行える。特にストリーミング再生は便利で、手元のプレーヤーをあたかもリモコンのよう扱い、PCに入っている楽曲を任意に再生できるのは思いのほか楽しい体験だ。利用できる環境が限られるので、ユーザーの利用スタイル次第では触れることもない機能になってしまうかもしれないが、常時稼働させているPCがあるならば、一度試してみることをお勧めしたい。
各種メディアファイルの再生機能やインタフェースは、既存のZENシリーズをほぼ踏襲している。メインメニューには「Music」「Videos」と項目が並んでいるので、再生したいファイルタイプを選択してやればいい。音楽ならば「MUSIC」からアーティストやジャンル、アルバムなどの分類から楽曲を選択できる。反応も機敏で操作にストレスを感じることもない。ワールドワイド対応のFMラジオやボイスレコーダー機能も備えている。
なお、本製品にはカナル型イヤフォン「EP-830」が添付されている。このEP-830は4980円(同社直販サイト価格)で販売されているもので、9ミリ径のネオジウムマグネットドライバーを搭載しており、添付品とは思えないほど高音部を迫力あるきらびやかなサウンドで鳴らしてくれ、低音もかなり押し出される。ややドンシャリの感も否めないが、高/低音の迫力が心地さに結びつきやすいロックやヒップホップのリスニングには適するように感じられる。ただ、ケーブルのタッチノイズは大きめなので、コードを耳にかけるなどして対応した方がいいだろう。
本製品の直販価格は、8Gバイトモデルが1万7800円、16Gバイトモデルが2万2800円、32Gバイトモデルが3万2800円。実は16Gバイトや32Gバイトという大容量のフラッシュメモリを搭載した製品は市場全体を見渡してもあまり多くなく、単純に価格と容量だけを他社製品と比較してもお買い得感は強い。独自の高音質化技術や無線LANにどれだけの価値を見いだせるかは人それぞれだが、本製品は基本性能とコストパフォーマンスのいずれも高い。ポータブルオーディオといえばまずiPodやウォークマンを思い浮かべる人は多いはずだが、大容量のプレーヤーを購入しようと考えているならば、本製品もその有力な選択肢となり得るはずだ。
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