ソニーの人気コンパクトデジタルカメラ「サイバーショット Tシリーズ」に新製品「DSC-T700」と(以下T700)「DSC-T77」(以下T77)(板から抜け出したようなフラット感――ソニー、サイバーショットに新「Tシリーズ」)が登場した。いずれも、薄型・フラット化を進めた意欲作だ。
T700とT77を手にすると、まずその薄さに目を見張ることになる。同社製品で言えば、ジャンルは違えど古くは初代「バイオノート505」、最近では「type 505 EXTREME」に通じる、薄さへの執念とも呼べるものが感じられる。
とにかく薄い。特にT77は、光学式手ブレ補正を搭載したデジカメとしては世界最薄(発表時)という最薄部13.9ミリ(レンズバリアを含めると15ミリ)を実現している。上位モデルのT700も16.4ミリ(最薄部は15.2ミリ)と薄く、前モデルとなる「DSC-T300」よりさらなる薄型化が進められている(DSC-T300の厚さは21.4ミリ)。
両モデルとも有効1010万画素CCDや光学式手ブレ補正搭載の光学4倍ズームレンズを採用。光学設計を全面的に見直すことで、これらの機能を詰め込んだそうだ。レンズの焦点距離は35〜140ミリ(35ミリ換算)、F値はF3.5〜F4.6と、数値こそ平凡だが、この薄さに詰め込んだことがすごい。
撮影開始はレンズバリアを下にスライドさせるだけ。気持ちよいスライド感とともにカメラが起動して撮影可能状態になる。レンズが繰り出さないので、撮影終了もレンズバリアを閉じるだけ。明確で分かりやすい。
スリム化に伴う弊害もある。それがボタン類が全般的に小さくなってしまったことだ。とにかく小さい。シャッターボタンも再生ボタンも薄く小さく、慣れないとシャッターボタンを押したつもりが押していなかったりと、少々戸惑う。特にズームレバーはかなり小さめ。形状はそれなりに配慮されているが、いずれにしても操作には慣れが必要という感じだ。
ボタン類の小ささを差し引いても、この薄さとデザインは秀逸。T700はまるで1枚の金属板のようなフラットさで、ステンレスのボディ表面にはヘアライン仕上げ。T77も素材はステンレスだが、ヘアラインによる加工はやや控えめ。いずれも前面の広い面積を覆うレンズカバーが特徴だが、T77は側面まで覆う、曲線を生かしたデザインとなっている。
高級感があり、持つ喜びを感じられるデザインといえる。“超”のつくスリムボディは構えにくさという弊害を生み出しているため、その部分は判断が分かれるかもしれないが、「いつでも持ち歩いてサッと取り出して気軽に撮る」という使い方がメインになることを考えれば、許容範囲内だろう。
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