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省エネ照明時代の新指標「Feu」って何だ?ライティングフェア2011(1/2 ページ)

» 2011年03月10日 13時40分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 最近、照明や空間デザインなどの分野で頻繁に耳にするようになった「Feu」(フー)。パナソニックが独自に開発した“空間の明るさ”を示す指標というが、世の中には「ルクス」や「ルーメン」「カンデラ」など、明るさを表す単位はいくつもある。Feuは何が異なり、どのように役立つのか。東京ビッグサイトで開催中の「ライティングフェア2011」会場で、パナソニック電工、照明事業部中央照明エンジニアリング総合部、戦略・商品企画グループの岩井彌部長に話を聞いた。

パナソニックブースは2階で「Feu」を大々的にアピール

 岩井氏は、Feuの開発を先導し、パナソニック電工のPR用Webサイトにも“Mr.Feu”として登場している人物だ。同氏によると、これまで空間の明るさを示す指標というのは存在しなかったという。「現在、一般的に照明の明るさの基準として用いられているのはルクスという単位です。しかし、ルクスは照明があたっている平面(一般的には床や机)の照度のことを指すため、それだけでは部屋全体が明るいのか、暗いのかは分かりません」(同氏)。

“Mr.Feu”の解説

 このため、数値と人間の感覚に差が生じることがある。例えば下の写真を見比べたとき、だれでもAのほうが明るいというだろう。しかし部屋全体が明るく見えるAであっても、床面の照度は160ルクスだ。一方、ダウンライトを設置しているBは、床面に光があたっているため190ルクスと、数字の上ではBのほうが明るいことになってしまう。

 「人間がある部屋に入ったとき、床だけを見て『この部屋は明るい』とは言いません。天井や壁、床も含めて部屋全体の明るさで判断するものです。そこには当然、床や壁で反射した光も含まれていますが、ルクスでは表現できないのが実情です」(岩井氏)。

 一方のFeuは、人間の視野をもとに空間の総合的な“明るさ感”を「Feu値」として数値化する。パナソニックでは、185度の魚眼レンズを使ったFeu測定専用のカメラを開発。これを1.5メートルの高さに設置して撮影することで、床や天井までをカバーする。さらに露出の異なる12種の画像を撮影し、そのデータから正確な輝度分布画像を作成、Feuの算出式によってFeu値を割り出すという。上の写真でいえば、Aは「Feu:10」で、Bは「Feu:6」。数字が大きいほど明るさ感も上のため、見た目の感覚に沿っていることが分かるだろう。

 「人間の視野は意外と広く、180度近くあります。空間からの影響を受ける“誘導視野”はその一部で、目の高さを中心に上に約35度、下方は50度程度といわれています。Feuも誘導視野内の輝度の平均値に基づいて算出されますが、その平均方法も人間の感覚に合わせた幾何平均を採用しています」(同氏)。

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