新進気鋭のオーディオメーカー、エミライがリリースするemブランド「acroama(アクロアーマ)」は、音楽再生に特化した“オーディオPC”と呼ぶカテゴリの製品だ。
acroamaは、Origen AEのフルアルミケースをベースにカスタマイズを施し、内部の使用パーツも同社がオーディオ再生用に厳選、ノイズフィルターや振動吸収素材を各所に配置するなど、音質向上のためのさまざまな工夫を設けている。
なお、インストールするOS(評価機は64ビット版Windows 7 Professional)や再生プレーヤー(PreSonus「Studio One」)にもオーディオ再生に最適な設定項目を設定済みとしてある。これらによって、オーディオに特化したPCならではのハイクオリティサウンドと、PCオーディオ初心者にも容易な扱いやすさを両立しているという。
余談だが、このacroamaは『新版PCオーディオガイドブック』筆者であり、オリオスペックのオーディオPC「canarino1」の開発にも携わった島幸太郎氏が、エミライにおいて開発のすべてをプロデュースした製品だ。それだけに、サウンドクオリティに関しては大いに期待が持てる。
今回は基本モデル「acroama」と上位モデル「acroama impendo」の2モデルから、19万8000円からとする基本モデルでその実力のほどをチェックした。今回の評価機は、オプションの電源ユニット Seasonic「SS-560KM」(プラス1万6800円)が装備されていた。そのほか、キーボードもオプション(プラス1万500円)の特別PS/2仕様ものを用いている。
使い始めて最初に感じたのが、思っていた以上に“普通”のPCであることだ。Windowsの設定は当初からオーディオ再生用に多少カスタマイズされているようだが、普段仕事用に使うPCと基本的には変わらない。プロセッサにAMDのFusion APUを採用するため、PCとしてのパフォーマンスはそれなりだが、音楽再生において困ることはない。
いつもと少し違うのは、配線の際のオーディオ出力に玄人志向のサウンドカード「CMI8787-HG2PCI」のRCA出力を利用することくらい(こちらもツルシのままではなく、ノイズ対策など同社によって独自カスタマイズがなされたものという)。音質を追求するあまりストイックな仕様になりすぎて、かえって使いづらくなるものは違う構成だ。
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