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かな〜り欲ばりなUSB DAC、「CONCERO」を試す野村ケンジのぶらんにゅ〜AV Review(1/2 ページ)

» 2013年03月08日 19時23分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]
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 エミライが取り扱う「Resonessence Labs」(加BCIC Designs Inc,のオーディオブランド)の「CONCERO」(型番:RSL-CNCR)は、192kHz/24bit対応のUSB DAC。上位モデルの「INVICTA」に対し、機能を絞り、コンパクトなサイズと良質なコストパフォーマンスを持つ“手軽な”製品としてリリースされている。

「CONCERO」。価格は5万9800円

 しかしながら、その生い立ちやスペックを見ると、そうそう侮れない存在であることに気がつく。まず注目なのが、Resonessence Labsブランドを展開するBCIC Designs Incが、元ESS TechnologyのMark Mallinson氏により設立された音響メーカーだということ。そう、彼はオーディオ用DACとして人気の高い「ES9018」に関わったといわれている人物。ES9018の酸いも甘いも知り尽くした人物が、製品開発を行っているのだ。

 しかも、搭載されているDACはESSの新モデルである「ES9023」。現在のところ、採用実績があまりないため評価の程は定まっていないが、「ES9018」の廉価バージョンとして十分なパフォーマンスを持ち合わせている、という評判も伝わってきている。オーディオ用の新世代DACとして、かなりの注目株であることは確かだ。

 システム的にもユニークだ。USBポートを備え、バスパワータイプのUSB DACとして活用できるほか、同軸デジタル端子を装備しており、USB DDCとして利用できる 「USB-S/PDIF ブリッジ」モードも用意されている。さらに、USBを給電専用とした場合(ACアダプターなどを接続した場合)、今度は「S/PDIF DAC」モードとなり、同軸デジタルから入力したデジタル信号をD/A変換する、純粋なDACとしても機能するのだという。これは面白い。また、専用のリモコンはないが、アップルの「Apple Remote」が同梱(どうこん)されていて、それで操作できるという点もユニークだろう。

入力端子は同軸デジタル1、USB 2.0が1、出力は同軸デジタル1、アナログRCA 1。本体サイズは、99(幅)×101(奥行き)×23(高さ)ミリ。重量は約375グラム

 一方で、ESS Technology製DACの特長を生かした機能性を持ち合わせている。Apple Remoteの操作により、IIRフィルター方式によるアップサンプリングと、アポダイジングフィルター方式によるアップサンプリングを利用することができるのだ。なかでも、アポダイジングフィルター方式によるアップサンプリングは、音質の良さで注目されている。詳細は輸入元のエミライのサイトを参照にしてほしいが、こちらも興味がひかれる。

 ボディーサイズは、99(幅)×101(奥行き)×23(高さ)ミリ(突起含まず)と、かなりのコンパクトさを実現。バスパワー駆動とも相まって、デスクトップの設置は自由度が高い。実際MacBook Airを使ってセットアップを行ったが、USBケーブル(とアナログRCAケーブル)を接続するだけで使い始められたので、とてつもなく手軽だった。Windows PCでは192kHz/24bit動作のためにUSB Audio Class 2.0ドライバーが必要となるが、こちらは製品サイトに用意されているので、ダウンロードして使ってほしい。

 さらにユニークなのが、本体の構成だ。重量感あるアルミ製のボディーは、なかなかの上質感を醸し出しているが、ボタン類がいっさい用意されていないのは興味深い。フロントのResonessenceロゴが、モードに応じて光り輝くのみだ。ちなみに、音楽信号が流れていない時は赤、流れているときは青色に輝くようになっている。

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