ここ数年、CESにおける展示はB to B中心へとシフトしていたパナソニックだが、今年はコンシューマー製品とB to Bソリューションが共存するという、非常に興味深い展示内容になっていた。特にBlu-ray Disc関連の業界団体であるBDAの中心メンバーの1社である同社では、その最新事情をうかがうことができた。
現在、BDの規格はフルHDまでしかカバーしておらず、4Kコンテンツの流通経路が少ない理由の1つにもなっている。BDAでは、今年の夏を目標に4K対応Blu-ray Dicの最終仕様策定を進めており、現段階の仕様をベースにした4K対応BDプレイヤーがパナソニックブースで参考展示されていた。
ディスクは3層のBDメディアを用いつつ、コーデックにHEVCを採用することで動画圧縮率を従来のさらに倍程度まで向上。単純計算でフルHDの4倍の情報量を持つ4Kコンテンツを多層のディスクメディアに記録するようになっている。この4K BDプレイヤーではHDMI 2.0を用いて4K信号を1本のケーブルで出力できるだけでなく、HDR(High Dynamic Range)にも対応し、非常に高輝度でメリハリのある画像出力が可能になっている。
ただし、HDR機能のサポートはテレビ側の対応にも依存しており、現在はデモンストレーションで使用されたパナソニック製の最新4Kテレビとの組み合わせでのみ利用可能だという。
パナソニックブースにおけるもう1つの注目は「Firefox OS搭載テレビ」だ。同社がテレビへのFirefox OS採用を表明したのが昨年のCESで、それから1年が経過して、ようやくプロトタイプとして見せられる形になったところ。その特徴はスマートフォンやタブレットにおける「ホーム画面」のような考え方を採用している点で、このホーム画面は映像コンテンツにオーバーレイする形でいつでも呼び出せる。
特定の機能やコンテンツを“ピン留め”でホーム画面に滞留させ、順番をカスタマイズすることも可能。つまり好きな機能やコンテンツをいつでも素早く呼び出すことができる。また通知センターのようなギミックもあり、スマートデバイスの使い勝手をテレビ上で実現したようなスタイルといえそうだ。今後さらにブラッシュアップされると思われるが、テレビのユーザーインタフェースにおける新しい形の1つとして注目されるかもしれない。
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