萌えゲームが迎えた「曲がり角」(1/2 ページ)
ネット業界でいまや、知らないほうが少数派となった単語:「萌え」。その萌えをキーワードにしたゲーム、いわゆる「萌えゲーム」(萌えゲー)が、曲がり角を迎えているのだという。
9月7日の「CEDEC 2004」会場では、メディアワークス「電撃G'sマガジン」編集長の高野希義氏が登場。独自の視点から萌えゲーを取り巻く環境を解説すると共に、業界が直面する課題を指摘した。
「萌え」とは何か?
そもそも、萌えとは何か。一言で定義するのは難しいが、高野氏は「かわいい女の子の喜怒哀楽を、離れた位置から“愛でる”」気持ちを指すようだと間接的に説明する。
萌えの構成要素としては、外見的特徴(下写真)や、「だにょ」「チェキ!」といった口癖、ドジですぐコケるなどの振る舞いが挙げられる。さらに、「妹である」「幼なじみである」など“主人公との関係性”も重要だという。
萌えゲーの歴史を学ぶ
萌えゲーの歴史は古い。高野氏は、同種のゲームの萌芽期が、1987年頃にまでさかのぼると話す。
「16×16ドットで、これが『うる星やつら』のラムちゃんかよ! などという時代だった」
その後、CD-ROMを採用したPCエンジンの登場により、萌えゲーのグラフィックは向上する。1992年~95年前後には、「プリンセスメーカー」「卒業」「ドラゴンナイトシリーズ」「きゃんきゃんバニーシリーズ」などのヒット作が誕生。アニメ界で、“萌え”という言葉が散見され始める。
高野氏は中でも、1994年の「ときめきメモリアル」が、一般人も巻き込んだブレイクスルーだったと振り返る。「あれは、業界にとって大きかった。世間から、『こんなゲームもあるのか』と驚きを持って迎えられた」。
1996年以降は、ノベルゲームの萌えゲーが新潮流となる。「To Heart」「Kanon」などが代表的。ストーリー性を高めた泣けるゲームも登場し、「泣きゲー」という言葉が生まれたりした。
1998年以降は、キャラクター細分化が一気に進む。1つの代表的な例として、高野氏は「Sister Princess」を挙げる。
「12人のかわいい妹に萌える……という主旨のゲームで、シリーズとして計4作品がリリースされた。うち、1作目は累計で16万本売れた」。この頃には、萌えという単語も一般化する。
しかし同時に、この頃から「萌えの暴走」が始まったと高野氏は指摘する。
「巫女、メガネっ子、ニーソックスなど、パーツや職業属性にこだわる層が顕在化した。その結果、萌え要素が“お約束”化(フォーマット化)し、形骸化し始めた」
次ページ:萌えゲーに、迫る危機
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
日本人の大腸がん、約半数に“腸内細菌の毒素”が関与 40歳以下の発症は7割 東大・阪大が200人を全ゲノム解析
-
2
「コミューン」不正アクセスでLINEヤフー、Sansan、パナソニックでも会員情報漏えいの可能性
-
3
「お前たちのクラウドはわれわれのもの」 IDCFクラウドの管理画面に出た攻撃者のメッセージ 内容に運営元は
-
4
履歴書100通に1通「AIだけが読める文字」 20万件調査でわかった“就活ハック”の手口 米研究
-
5
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
-
6
山中で遭難の16歳少年、登山計画に生成AI「Claude」利用 救助隊は「ルートの妄信」警鐘
-
7
JR東日本、「えきねっと」「ビューカード」などで漏えいか メルアドなど最大609万件 IDCFへの不正アクセスで【追記あり】
-
8
SBI証券、Google・Appleパスキー乗っ取り被害「確認されていない」 注意喚起は他社事案
-
9
OpenAI、安全性研究者3人を解雇 本人らは「安全性を優先したため」と主張、同社は「機密情報の扱いに関する規定違反」と説明
-
10
ブックオフに不正アクセス、最大約643万件の個人情報流出 氏名、住所、ハッシュ化パスワードなど
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR