“スマートディーガ”、進化のポイント:野村ケンジのぶらんにゅ〜AV Review(2/2 ページ)
年2回のリニューアルというペースで進化し続けるパナソニックのBlu-ray Discレコーダー“DIGA”が、またこの2月に新バージョンへと進化した。発売を前にスマートディーガの進化ポイントを整理していこう。
さらに、録画番組一覧表示で「家じゅう」タブを選ぶと、ネットワーク内に接続されているディーガで録画した番組の全てが、一覧に表示できるという新機能も追加されている。いちいちレコーダーを切り替える必要がなく、またどのレコーダーに録画した番組なのか探さないで済むのはありがたい。欲をいえば、シリーズ番組のフォルダ分けなども反映してくれるとうれしいのだが、2008年以降に発売された「お部屋ジャンプリンク」対応モデルであれば録画番組がリストに載ってくれるので、該当する製品を所有しているユーザーに対しては、かなりの利便性を提供してくれるはずだ。なお、家じゅうタブに表示できるディーガは最大10台まで、番組数は最大4万番組まで対応できるという。
丸ごと自動録画する「まとめて予約」、見たいシーンが分かる「シーン一覧」
ディーガシリーズは、これまでの機種でもネットサービスを利用すると一歩進んだ使い方ができた。例えば「DiMORA」(ディモーラ)を使ってPCなどでキーワードを設定するとディーガが関連する番組を自動録画してくれるし、「MeMORA」(ミモーラ)では録画番組で紹介されたお店の情報がチェックできたり、見どころ一覧を表示してディーガに再生指示を出せる。今回のスマートディーガでは、これら便利なサービスの一部機能が本体に搭載され、単体でも利用できることになった(インターネット接続が必要)。
例えば、MeMORAの「シーン一覧」。新ディーガでは、番組一覧から目的の番組を指定すると、シーンのイメージと時間を一覧表示してくれる。例えば歌番組ならアーティストの名前と画面に登場した時間がすべて分かるので便利だ。ただ、初期状態ではシーンをダイレクトに選んで再生することはできず、MeMORAに有料会員登録(月額315円)する必要がある。
もちろん表示された時間を覚えておき、早送りなどで頭出しすることは可能なので、一覧を参照するだけでも便利だろう。なお、既存のMeMORAユーザーは、ディーガ本体の画面で「シーン一覧」「見どころ一覧」「シーン登録ワード」「見どころ登録ワード」といった情報が確認できるようになる。
また「関連番組まとめて予約」は、キーワード入力の手間がない自動録画機能のようなもの。例えば番組表からプロ野球の“巨人阪神戦”を選ぶと、「プロ野球全試合」「巨人全試合」「阪神全試合」といったキーワード候補が表示される。ここで「阪神全試合」を選ぶと、放送局や放送時間を問わずに放送された阪神戦を片っ端から録画してくれる。DiMORAのように明示的にキーワードを入力する自動録画機能のほうが汎用性は高いはずだが、ディーガだけで完結し、文字入力の手間もいらない手軽さは新しい。
ネットワークを活用して便利な機能を増やしたスマートディーガ。昨年の「4番組同時録画」のようなインパクトには欠けるものの、少なくとも使い勝手の面に関しては“スマート”という肩書きにふさわしい存在になった印象だ。ネットワーク関連機能の充実とユーザビリティーの向上により、新たな価値を作り上げつつあるのは確かだろう。
ただ、まだ気になる部分はある。例えば「お部屋ジャンプリンク」で同時に“他の部屋から”再生できるのは、1台のクライアントだけ。今後、対応クライアントが拡大したとき、スマートフォンやBDプレーヤー(お風呂テレビなども)が複数台あるという家庭は決して珍しくなくなるわけで、それぞれが気兼ねなく使うためには、少なくとも2〜3台は同時にネット再生できるパワーが求められるはず。もっとも、そうなると今度は宅内の回線スピードという問題も発生してくるだろうが……。
いずれにしても過去に行ってきた蓄積がひとつの完成形となりつつあることも同時に感じ取れる“スマートディーガ”。「そろそろ買い換えを」「買い足しを」と考えている人にとって、魅力的な製品であることには間違いない。
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