テクニクス復活と「SmartWear」、IFAのトピックから見えてきたソニーとパナソニックの変化:IFA 2014(4/4 ページ)
高級オーディオ事業への再参入を果たしたパナソニック、”質の高い体験”を重視しつつ、ウェアラブル分野も積極展開するソニー。今年のIFAから両社の変化が見えてきた。
”これからの分野”として投資するウェアラブル分野
スマートフォンの市況は刻々と変化しており、各国市場の状況に合わせて戦略変更は行われているが、商品開発という視点で見るとソニーはこの1年、大きく変わらず同じ目標に向けて動いていることがIFAでは確認できたが、そのソニーが今、もっとも将来を期待しているのが、「SmartWear」と彼らが呼んでいるスマートフォンを軸にしたウェアラブル商品の分野である。
商品として発表されたのは、Android “L”に組み込まれる予定の未発表機能も盛り込まれるという「SmartWatch 3」であったり、音声操作とシンプルなEペーパー表示を組み合わせた「SmartBand Talk」といった新しいSmartWear(ソニーのウェアラブル製品)になるが、これが即座に大ヒット商品になるとソニーも考えているわけではない。
ソニーモバイルコミュニケーションズの鈴木國正社長は、記者発表後にインタビューに応え「”コンテキストウェア”という考え方を起点に、さまざまな商品、新しい価値へとつなげていける」と話した。
例えば、SNSや電子メールのやりとり、Webサイトへのアクセスなど、オンラインサービス上での活動、実社会での歩いたり、走ったりといった活動、どんな場所に行ったかなどのロケーション情報、もっとエモーショナルな部分で、どんなことに興味を持ったのか(例えばテレビを観ていて、そこに出てきた風景が美しいと思ったなど)など感情の動き、体温、発汗、緊張などの生体情報の履歴。これら”コンテキスト情報”の履歴を取ることで、ライフパターンを認識し、使用者にフィードバックをかける。
こうしたコンテキスト解析を基礎とした技術を、ソニーはいくつか持っている。音楽がどのように感情に訴えるかを解析できる12音解析技術、スマートテニスセンサーのようなスポーツ競技に直結するデータ解析、映像パターン認識の技術も多い。それらをどのように解析し、認識していくのか。また、どんな分野に対して、ユーザーはより”ピン”と来るのか。
今はソニーだけでなく、多くの企業が正しい方向を模索している状況といえるだろう。鈴木氏は、集めた情報をどう料理して、利用者の価値として還元できるかといったアプリケーション開発が不十分であることは認めつつも、近い将来、この分野が大きな可能性であると話した。ウェアラブル機器に関しては、平井氏への取材でも言及があったので、そちらでもお伝えしたい。
関連キーワード
IFA | NTTドコモ 2013年春モデル | ハイレゾリューション | Xperia Z3 | エリア制御 | ピュアオーディオ | GaN | 4Kテレビ | スマートウェア | 腕時計型端末 | Android Wear | 平井一夫 | トランジスタ | VIERA | Xperia Z3 Tablet Compact
関連記事
- パナソニックの「テクニクス」ブランドが復活、ネットワークプレイヤーを含む2シリーズを発表
パナソニックは9月3日、ベルリンで行われたIFAのプレスカンファレンスでオーディオブランド「Technics」(テクニクス)の復活を宣言した。85V型4Kテレビも登場。 - ソニーが進化した「Life Space UX」を披露、いろいろ使えそうな「ポータブル超短焦点プロジェクター」とは?
ソニーが「IFA 2014」のプレスカンファレンスで進化した「Life Space UX」を披露。「LED電球スピーカー」と、コンパクトな「ポータブル超短焦点プロジェクター」を紹介した。 - ついにmicroSDスロット搭載したハイレゾ対応ウォークマンが登場
新しいウォークマン「NWZ-A15」は、ハイレゾ対応のポータブル機としては世界最小・最軽量。初めてmicroSDカードスロットを設けているのも特徴だ。 - 新「Gレンズ」搭載、単体でのハイレゾ再生も可能に――ソニーモバイルが「Xperia Z3」を発表
Xperiaシリーズの新しいフラッグシップスマートフォン「Xperia Z3」が発表された。カメラのレンズを一新し、オーディオ機能もハイレゾ再生やDSEE HXに対応するなど進化した。日本を含む世界で今秋に発売される予定。 - ソニー、“レンズスタイルカメラ”の高倍率ズーム機とEマウント搭載機を発表
ソニーがIFA 2014のプレスカンファレンスで「レンズスタイルカメラ」の新モデルを披露した。 - ソニーモバイル、Android Wear搭載の腕時計型端末「SmartWatch 3」を発表
Android Wear搭載の「SmartWatch」の新モデルをソニーモバイルがIFA 2014で発表した。Android 4.3以降のスマートフォンと連携する。 - 1.4型の電子ペーパーを搭載、通話も可能に――リストバンド型の「Smart Band Talk」
ソニーモバイルのリストバンド型ウェアラブル端末「Smart Band」が、「Smart Band Talk」としてリニューアル。曲面型の電子ペーパーディスプレイを搭載し、ハンズフリー通話や音声コマンドの利用も可能になった。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.