4000nitsの次世代バックライトも登場――ソニーがHDRに見せた本気:CES 2016
ソニーは、「CES 2016」で広範囲な4K/HDRソリューションを発表した。これには超薄型の4Kプレミアムテレビのほか、ピーク輝度4000nitsを実現する次世代バックライト技術の参考展示などが含まれる。
ソニーは、「CES 2016」で広範囲な4K/HDRソリューションを発表した。これには超薄型の4Kプレミアムテレビのほか、ピーク輝度4000nitsを実現する次世代バックライト技術の参考展示、そして4Kブラビア専用の4K/HDR対応ストリーミングサービスなどが含まれる。あわせて新しい4K/HDRテレビにつける「4K HDR」ロゴマークも披露している。
エッジ型で精度の高い部分駆動を実現した4K液晶テレビ
4Kテレビの新製品としては、プレミアムモデル「X93Dシリーズ」を発表した。4K/HDRのために開発された薄型バックライト技術「Slim Backlight Drive」を搭載。エッジ型に分類されるものの、従来のような“短冊状”の光らせ方ではなく、光源のあるエッジから離れた部分(いわゆる飛び地)だけでも光らせることができる“格子状”の分割制御を可能にしたという(画面分割数は非公開)。またピーク輝度を向上させる「X-tended Dynamic Range PRO」や広色域技術の「TRILUMINOS Display」と組みあわせ、4K/HDRコンテンツの高画質化とデザインの薄型化を両立させた。壁掛け時には、壁から映像だけが浮かび上がるような一体感を演出するという。まず米国で「今年の早いタイミング」に発売する予定だ。
ソニーでは、新しい4Kテレビのラインアップに新しい「4K HDR」ロゴマークをつけて販売する。「このロゴの入ったテレビは、Consumer Technology Association(CTA)のHDR定義を満たし、次世代のビジュアル体験を提供する」(同社)。なお、日本での販売は未定となっている。
4000nitsを実現する次世代バックライト技術
一方で4K/HDRコンテンツ再生に向けた次世代のバックライト技術「Backlight Master Drive」を技術参考展示。展示機は85インチの4Kパネルを使用し、多数の直下型LEDを高密度に実装することで多分割部分駆動を実現したというもの。「画面分割数は1000を超える」(同社)
これに「X-tended Dynamic Range PRO」と組み合わせ、最大4000nitsのピーク輝度による鮮烈な“光の輝き”と引き締まった深い黒を緻密に表現できるという。「あたかも目の前に存在するかのようなリアリティで描写する」(同社)
4Kブラビア専用の4K/HDR対応ストリーミングサービス
さらにプレスカンファレンスでは、米Sony Pictures Home Entertainment (SPHE)が4Kブラビアに向けて提供する新しい4Kストリーミング動画配信サービス「ULTRA」が発表された。米国では年内にスタートする予定で、HDRコンテンツを含むソニー・ピクチャーズの映画(新作、旧作)やドラマを4Kブラビアから直接購入して再生できるという。
プレスカンファレンスで公開されたUIイメージには、「Salt」(邦題:ソルト)や「Chappie」(邦題:チャッピー)、「Pineapple Express」(邦題:スモーキング・ハイ)といったUltra HD Blu-ray Discでのリリースが決定しているコンテンツに加え、「FURY」(邦題:フューリー)「Elysium」(邦題:エリジウム)、「The Walk」(ザ・ウォーク)などもあった。なお、「ULTRA」の日本でのサービスについては未定だ。
CESの開幕に先立って行われたプレスカンファレンスで、同社の平井一夫社長兼CEOは、「差異化された商品により日々の生活をさらに豊かにすること、リスクを恐れず新しいことにチャレンジして新たな価値を生みだすこと、そして商品を通してユーザーがクリエイティビティを発揮する手助けとなること。この3つがソニーの目指すところだ。これらを通じて今後もユーザーに感動を提供していく」と話している。
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