電球ソケットに挿せるAndroid搭載プロジェクターって?――開発者に聞く「Beam」の詳細(2/2 ページ)
あるときはプロジェクター、またあるときはLEDライト、しかしてその実態はAndroidデバイス!? Beam Labs.が開発した多機能デバイスについて、開発者に詳しい話を聞いた。
手元のスマートフォンで操作
操作に使用するのは、「Beam Remote」というスマートフォン用アプリ(iOS/Android)。宅内の無線LANを介してBeamを操作する仕組みで、画面に表示されるタッチパッドやキーボード、方向ボタンなどでAndroidにの操作に必要なすべての機能を持っている。「もちろんスピーカーのボリューム調節やLEDライトの調光操作もできます」(同氏)。またBluetoothのインプットデバイスにも対応しており、Molenaar氏は「ゲームをするときはプレイステーション4用のコントローラーがいいね」と話していた。
いくつもの機能を1つの筐体に同居させたBeamだが、意外にも動作中にファンなどの駆動音がほとんど聞こえない。「ファンは熱くなったときにだけ動く。それも通常のピコプロジェクターの倍もある大きなファンを低速回転させることで騒音を抑えています」という。寝室やリビングといった場所で使うことを想定しているだけに、駆動音や外観にはこだわった。
「技術的にはBeam自体をもっと小さくすることもできました。でも、生活の中で引き立つデザインにしたかった。普通のピコプロジェクターなら使わないときは片付ける必要がありますが、Beamなら普段はライトとしても使えます。使いたい時にいつでも使えることは重要です」(同氏)
「If〜then」でレシピが作れる「Beam Actions」
Beamは、単に多くの機能を詰め込んだエンターテイメントマシンではない。Beamのハードウェアが持つ機能と各種インターネットサービスを連携させ、利便性の高い使い方ができるIoT(Internet of the Things:モノのインターネット)デバイスでもある。その中心にあるのが、同社が提供しているアプリ「Beam Action」だ。
「Beam Actions」では、「If ○○ then ××」(もし○○したら××)という設定を行うだけでBeamを自動化することができる。例えば「帰宅したら電気をつける」なら、BeamはBluetooth圏内に登録済み端末が入ってきたことを検知すると内蔵のLEDライトを点灯するという仕組み。最初の○○が“トリガー”となって××という“アクション”を起こす。ほかにも、例えば自分のライフスタイルに合わせ、「朝7時に天気予報を映す」「19時になったら音楽を再生する」といった使い方が可能。アイデア次第で日常生活を便利にしてくれそうだ。
こうした「If ○○ then ××」のような条件設定をレシピと呼び、近年はIFTTT(イフト)を中心に同様のアプローチでスマートフォンアプリやホームオートメーション機器を連携させる動きが顕著になっている。例えばフィリップスのLED照明「Hue」、Netatmoのネットワークカメラ「Welcome」なども対応機器としてメーカーを跨いだ機器連携が可能になっている。Beamの場合、他社製品との連携には対応していないものの、Molenaar氏は「IFTTTの基準に沿って開発しています。将来的にセンサーなど他社のさまざまな製品と連携できるようになる可能性はあるでしょう」と話していた。
クラウドファンディングで目標金額の50万円を達成したBeamは、晴れて日本での販売が決定。今後は日本語マニュアルの作成やサポート体制の構築などローカライズの作業を進める方針だ。なお「+Style」では、資金調達の成功を記念してサポートプランに「お祝いプラン」を追加。Beam本体と専用スタンド「Beam Fixture」、そして 「BeamオリジナルT-Shirts」をセットにした特別パッケージを7万5000円(税別)で販売しているので、気になる方はチェックしてみては?
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