サービスの多様化を目指す「ひかりTV」――HLG対応の4K IP放送にオリジナルアニメ制作も
NTTぷららは動画配信サービス「ひかりTV」の新サービスを続々と発表した。HDR対応の4K-IP放送やゲームの展開、有料の趣味講座など盛りだくさん。
NTTぷららは10月13日、2016年度下期の事業戦略説明会を開催し、動画配信サービス「ひかりTV」の新サービスを続々と発表した。同社の板東浩二社長は、「映像配信のユーザーはずいぶん増えたが、従来のような増加が続くわけではない。新サービスに投資してサービスを多様化していく時期に入った」と話す。
まずHDR(ハイダイナミックレンジ)対応の4K-IP放送を10月24日に開始する。既に4K作品として放送している「ローカル線で出発進行!」「行ってみたい!動物園&水族館」など8本の番組をHDR対応として配信。順次番組ラインアップを拡大する予定だ。
HDR技術には、NHKとBBCが放送向けに共同開発したHLG(Hybrid Log-Gamma)方式を採用。広いダイナミックレンジの表現を忠実に再現するため、関連会社のNTTメディアインテリジェンス研究所との共同実験や映像品質評価法に基づく主観評価を繰り返し行ったという。なお、HLGの場合は非対応のテレビで見た場合でも通常の4K画質で表示できる。
ひかりTVの基本放送プランに加入していれば追加料金は不要だが、視聴するにはひかりTV受信機能を持ち、HLGに対応した4Kテレビが必要だ。対応機器は、東芝映像ソリューションのREGZA(レグザ)「Z20Xシリーズ」3機種で、10月20日のファームウェアアップデート後に視聴できるようになる。またNTTぷららの「ひかりTVチューナー」(ST-3400)も2017年秋頃の対応を予定している。
ゲーム「ルナたん」でメディアミックス
10月27日にはオリジナルゲームアプリ「ルナたん」をリリースする。基本的にはスマホ用パズルアクションゲーム(基本プレイ無料)だが、テレビ向けのひかりTVゲーム版と連携させることで、ゲームを有利に進めることができるなど楽しみ方が広がる仕組み。連携には「遊び放題パック契約」(月額540円)が必要だ。
さらに板東氏によると、ルナたんはゲームに止まらず、キャラクタービジネスも展開する計画。2017年4月にはアニメ化し、ひかりTVオリジナル作品として配信を行う。さらにコミカライズや攻略本の出版、グッズ販売、関連楽曲の制作・販売などで事業の拡大を図るという。「広げていければ面白くなると思う」(板東氏)
BS民放のIP再送信に趣味学習サービス
12月1日からは「BS日テレ」「BS朝日」「BS-TBS」「BSジャパン」「BSフジ」の5チャンネルを「ひかりTV」のテレビサービスで再送信。テレビ向けプランのユーザーは追加料金なしで視聴できる。
また12月中旬には趣味学習サービス「Shummy」(シュミー)を開始する予定だ。シュミーは、動画講座とイベント、オンラインショッピングなどを提供する有償の趣味学習のプラットフォーム。当初はカメラや料理、手芸など約15の講座を用意する予定で、2016年3月までに30講座まで拡大する方針。ユーザーはPCやスマートフォン、タブレットで受講できるほか、講座ごとにワークショップや講演会などのリアルイベントも開催し、プロや専門家から直接学べる機会を設ける。受講料金は3000円程度で、講座の1部を個別に受講(500円程度)することも可能だ。「イベントでは同じ趣味を持つ仲間と交流することも目的としている」(同社)
このほか、2016年度中にはユーザーが撮影した4K動画をテレビに映し出せるクラウドサービス、そしてテレビとスマートフォンの間でリアルタイムのコミュニケーションを実現するテレビ電話機能「ひかりTV映像コミュニケーションサービス」(仮称)を提供する計画。「例えばXperiaで撮影した4K動画をクラウドにあげ、ひかりTVチューナーで視聴できる」(板東氏)。なお、2つのサービスを同じクラウドサービスとなる見込みだが、テレビ電話機能を4K対応とするかは「検討中」とするにとどめた。
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