インタビュー
» 2007年05月10日 23時07分 公開

ファイナンスの仮想世界「東京0区メガシティ」とは?――SBIRoboの渡部CEOに聞くInterview

検索エンジンをベースとするSBIグループの金融サービスが本格化する。まずはSBIイー・トレード証券と連携したサービスを始め、最終的には仮想世界で完結するという。

[土肥義則,Business Media 誠]

 ネット上ですべてが完結する金融システムとして「情報金融資本主義」を掲げるSBIグループ。そのネット技術を請け負うSBIRoboが、6月からスタートする、連想的に株価検索ができるサービスや、仮想世界での経済活動などを展開していく。検索エンジンをもとにした金融や、ビジネス向けのサービスを開発したSBIRoboの渡部薫CEOに話を聞いた。

SBIRoboの渡部薫CEO

 ――SBIイー・トレード証券の株価検索にサーチエンジンを組み込むそうですが。

 「現在のSBIイー・トレード証券のサイトでは、会社名か銘柄コードでしか株式情報が検索できません。6月からは検索エンジンを使って企業情報やWebサイト、ニュース、ブログなどから、その銘柄に関連の深いキーワードを自動的に抽出します。そして、連想的に株価検索ができる仕組みを、6月初旬からスタートします。例えば『ユニクロ』と打ち込んでも、会社が存在しないため、現在のシステムでは検索できません(編注:ユニクロはブランド名で、会社名はファーストリテイリング)。株の世界に詳しい人たちなら当たり前のことかもしれませんが、初心者は戸惑うことでしょう。今回の新しい検索システムを導入すれば、ネット上で簡単に株取引ができるというのが特徴です。

 こうした技術が完成したのも、ノルウェーの検索会社『Fast』の技術を用いたからです。サービスを柔軟にチューニングできるため、これらのサービスが実現しました。ネットを活用した新しい金融事業『ファイナンス2.0』の第1歩と言えるでしょう」

仮想通貨で株取引ゲーム

 ――遊びの要素を取り入れた金融サービスも検討されています。

 「ファイナンスニュースという参加型のサービスを、8〜9月ごろに提供する予定です。閲覧者から投稿された情報を掲載する参加型ニュースサイト、『Digg』のファイナンス版のようなイメージです。投稿できるのはニュースだけではなく、株の銘柄も可能にしています。ある銘柄に対してニュースを投稿したり、掲示板のようなコメント、トラックバックも付けることができます。

 

 投票により記事をランキングさせるだけではなく、ファイナンスニュースでは株価が『上がるか、下がるか』といった予測を投票できます。そして仮想通貨というポイントを使って、“予測市場取引”を楽しむことができるようになっています。あくまで初心者を対象としたもので、予想ゲームに仕上げていますが、本当に取引をしたい場合は、画面上からSBIイー・トレード証券にリンクし、売買も可能にしました。リアルとバーチャルの垣根をなくしたサービスと言っていいでしょう」

6月から順次、サービスを提供していく

 ――ユーザー自らが個人情報をアピールできる場を提供するそうですが。

 「ビジネスに特化したSNS(ソーシャルネットワークサービス)『Linkedin』のようなものです。Googleのようなサーチランキングテクノロジーを反映しています。企業や商品などを検索できるもので、その結果がSNSのように表示されます。

 個人がオフィシャルに持てる公式プロフィールページを設けました。自分自身の情報を正確に公開することができます。さらに他人からの評価や推薦状を加えることができ、この場で経済活動ができる仕組みを設けました。ある人の人脈を検索したり、転職をしようと思う時には、自分をアピールすることも可能です。ビジネスマッチングの場を提供していきたいと思っており、夏をめどにサービスを始める予定です。

 家族向けの通帳をベースにしたSNSサービス『SBI Family』を作る予定です。SNSのようなシステムで、家族のコミュニケーションを図れるというコンセプトです。月々の明細が表示され、家計簿としても役立つかもしれません。特に、離れ離れに暮らしている家族にとっては、使い勝手がいいかもしれません。子供に仕送りをすると、『ありがとう』と返事が返ってくる。お金を通して家族の絆ができる――まあ理想ですが……(笑)。また、この通帳は会社で使ってもいいかもしれません。例えば紙の給与明細を渡すだけではなく、社長から『ご苦労さまでした』と、社員にメッセージを書き込むのはどうでしょう」

東京0区メガシティ構想

 ――東京0区という仮想世界を構想しています。

 「私たちが目指しているのは、リアル社会と仮想社会をファイナンスなどで、つなげていくことです。セカンドライフのようなバーチャル世界を構築するつもりはありません。生活に密着したイメージを持たせたいということで、『SBI Cyber MEGACITY』をデザインしました。その第1弾として、東京湾に浮かぶ仮想世界を作る予定です。

現在の東京湾の航空写真
仮想世界のCyber MEGACITY

 住所は『東京0区メガシティ』です。世界各国から東京でビジネスをしたい人が集まって来て、経済活動が活性化することを期待しています。もし不動産取引をしたり為替取引などがあれば、そうした取引に対しSBIグループが参入できるというメリットがあるでしょう。この国境を越えたプラットフォームは1年後に完成する予定です。リアル社会と仮想社会が密にすることが重要で、会社だけではなく学校や公共施設を設置したり、東京0区の選挙があったりすれば楽しくなるでしょう」

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