インタビュー
» 2007年05月18日 07時31分 公開

「自分の名前で仕事する」ために本当に必要なこと──iPR奥川さん達人の仕事術(2/2 ページ)

[斎藤健二,ITmedia]
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 「送られてきたメールを携帯に転送して、『9時には戻りますので連絡します』といった一報を返しておくと違うんです」

 iPRのクライアントの某社は、「奥川さんにメールをしたら、今名岡崎城で撮影なので9時に帰宅して対応します、とすぐにメールが返ってきたのでびっくりしました」と、そのレスポンスに驚く。

 試行錯誤のうえ作り上げたメールの転送システムは、Gmailを活用した複雑なものだ。詳細は下記に図解するが、スパムメールを排除しつつ携帯にも転送するというものだ。

メールの転送フロー図。複雑な経路を通りつつ、携帯にもたどりつく。「捨てアドレス」とはWebのサービスなどに登録するときに使う、使い捨てのアドレス(2006年8月の記事参照)。Gmailから転送をかける際に「in:spam」条件を使うと、スパムを除いて転送が行える
Gmailから携帯へ転送する際に実際に使われているフィルタ。これだけ複雑なフィルタもしっかり動作する

 細かく説明しよう。過去のメールアドレスも捨てることなく、すべてをGmail(1)に転送する設定にしておく。このGmailアドレスはスパム排除用だ。Gmailは高機能なスパムフィルタ機能を持っているため、いったんGmailで受信して転送をかければスパムを排除できる。

 続いてGmailから、現在のメインアドレスに転送をかける。スパムを排除した形で、メインアドレスに全メールを集約するのだ。

 そしてさらにメインアドレスから、Gmail(2)に転送をかける。このGmailアドレスの目的は、受け取ったメールの保存と、携帯への転送。メーリングリストなどをフィルタで除いて携帯へ送るのだ。

 携帯側でも工夫がある。auの携帯は「Reply-to」設定が可能だ。「Reply-to」設定とは、メールを送った相手が返信をしたときに送付先となるアドレスのこと。この「Reply-to」を会社のアドレスにしておくのだ。すると、(1)急ぎのメールを会社宛にもらう (2)メールが自動的にGmailに転送され (3)Gmailから携帯に転送される (4)携帯でメールを見て返事を書く (5)相手がそのメールに返信すると、携帯宛ではなく会社のメール宛になる。携帯電話からメールを送っても、通常のメールのフローに載せることができるわけだ。

当たり前の道具を徹底活用

 メールの転送網とケータイを武器に、日本全国を飛び回るPRマン、奥川さんの必携道具は意外と少ない。まずは「携帯は生命線」だと言うとおり、ケータイの替えバッテリー。そして、軽量のノートPC「Let'snote R4」と、ケータイとの接続ケーブルだ。ケータイはauのWIN端末「W32T」。au端末はメールの「題名受信」が可能なので、1日100通にも達する転送メールもそれほどのコストにはならない。月に数回はPCとケータイを接続して、PCのメールチェックも行うが、定額制も使わずパケット代は月額2000円程度で済んでいるという。

左からPC、携帯、替えバッテリー、デジカメ、携帯の接続ケーブル。デジカメのライター業も営む奥川さんが、この日評価用に持っていたのがこのデジカメ。一番右は携帯男性向けアブラ取り。「おやじですから」と奥川さんは笑う

 「大手メーカーでは、広報がいかにがんばっても『自然に記事が出ている』と社員でさえ思っている。事前に広報が動かなければ、発売の2日後に製品の分解記事が雑誌に出ているわけがないのにね」と笑う奥川さん。

 独立したきっかけは、広報という舞台で自分の力を試してみるにはいいかな──と思ったこと。会社員として働くもよし、独立するのもよし。多くの選択肢を持つことができているのも、個人として仕事をやってきた結果だ。あなたはこれから、自分の名前で仕事をすることができるだろうか。

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