連載
» 2007年08月29日 14時35分 UPDATE

キャスター・目黒陽子の「今、これが気になる」: 地震保険、入ってますか?

新潟中越沖地震の取材をしてきました。震災から1カ月が経ち、復興は進んでいるものの今だ傾いた電柱や倒壊家屋が残る街並みを見ると、「被災した時のために自分でできる対策はするべきだ」と強く感じました。いつ襲ってくるか分からない巨大地震……地震保険の内容は知っていますか?

[目黒陽子,Business Media 誠]

著者プロフィール:目黒陽子

フリーアナウンサー(ライムライト所属)。大和証券SMBCを経て、資格ファイナンシャルプランナーを取得後、キャスターへ転向。NHK総合「お元気ですか日本列島」「BSニュース」などを担当し、政治・経済など、情報を伝えることの大切さと難しさを学ぶ。現在は日本テレビ系列で土曜朝8時から放送されている情報番組「ウェークアップ!ぷらす」(読売テレビ制作)にて司会を担当している。同じくアナウンサーの滝川クリステルは従姉妹にあたる。ブログ:http://www.fpcaster.com/


 もう今から1カ月前の話ですが、新潟中越沖地震のニュースには本当に驚きました。テレビの地震速報は震度3以上でないと出ませんが、実は小さい地震は日本列島のどこかで毎日何度も起きているのです。地震が毎日起きていることを考えると、日本列島は活動期に入っていて、巨大地震がいつやって来てもおかしくない状況かもしれません。みなさんは地震の備えをしていますか?

 先日、仕事で新潟の中越沖地震を取材してきました。震災直後と比べ、街は道路の舗装が進み渋滞もなく車が走り、海水浴を楽しむ若者もいました。しかし電柱は傾いたまま、倒壊した家屋も一部そのままの状態で残っているという状態でした。

文化を残したままの耐震構造

 今回の中越沖地震の取材では、専門家の先生に同行していただきました。中越沖地震の倒壊家屋を見ると、地元の文化に根付いた家屋作りをしていることが大きな被害を招いたことが分かる、と専門家は指摘しています。地元文化に根付いた家屋の特徴としては、黒く重い瓦を使用していることと、部屋割をせず、広い大広間のままで、壁の数が少ないことを挙げていました。

 この瓦は、1枚持ち上げるのも大変な重さ。それを何枚も屋根の上に埋めているのです。豪雪地帯の雪対策のための瓦で、家の重厚感を出すためにも必要ということですが、横揺れの地震には全く対応できないということでした。最近はプラスチック製ながら見た目が重厚な豪雪対策の瓦もあるようです。是非、そういう瓦を使っている家の方は今後耐震対策を考えてほしいと思います。

 さらに、壁が少ないことが耐震の上では致命的のようです。この地域では、結婚式・葬式を家の中で行う風習があり、部屋をぶち抜いて大広間にしている家が多いそうですが、そうすれば自然と壁の数は少なくなります。文化を残したままで耐震を考えるのなら、「それ以外の壁でさらに補強をする必要がある」と専門家は言います。倒壊家屋を見てきましたが、やはり、土台がぐしゃっとやられてひとたまりもない状態でした。もし、ほんの少しでも補強をしていたら? 全壊が半壊になるだけでも、家族全員が助かる可能性は高まります。家の修繕費用の面でも大きく違ってくるはずです。

 地元の文化を残したままでも耐震はできるようですから、やはり日本列島が地震活動期に入っている今、各自でできることは対策をしていく必要があるようです。

地震保険の加入率は全国平均20%

 巨大地震は一瞬にして惨劇を引き起こしますが、一体どれほどの威力があるのでしょうか?

――マグニチュード6と7では、何倍大きさが違うか分かりますか?

 マグニチュードとは地震の規模、地震が発するエネルギーの大きさを示す値ですが、1つ違うと32倍違ってきます。2つ違うと32×32――1024倍もの差があります。つまり、今回の新潟中越沖地震が18個同時に起きた地震の力が、阪神・淡路大震災の規模に匹敵するということ。震度は同じでも、こんなに違いがあるのです。

新潟中越沖地震 2007年 マグニチュード6.8 最大震度6強

新潟県中越地震 2004年 マグニチュード6.8 最大震度7

十勝沖地震 2003年 マグニチュード8.0 最大震度6弱

阪神・淡路大震災 1995年マグニチュード7.3 最大震度7

スマトラ沖地震 2006年 マグニチュード9.0 震度5強〜6弱(改正メルカリ震度階級)


 自分でできる地震対策としては「地震保険」があります。しかし当然、全額保証ではありません。地震保険は民間だけでなく、国が支援するという公共性のある保険なのです。阪神・淡路大震災の時、地震保険の加入率(地元)は3%でしたが、今や全国平均は20%です。中越沖地震での加入者の支払いも着々と進んでいます。

――そもそも地震保険はどんな保険?

 火災保険とセットで契約しなければ効力がありません。単体ではない点に注意してください。

――保険金額1000万の場合の1年間保険料は?※

等地別 非木造 木造
1等地 5000円 1万2000円
2等地 7000円 1万6500円
3等地 1万3500円 2万3500円
4等地 1万7500円 3万5500円
※1981年以降の耐震家屋は10%オフになります。

1等地 北海道、福島県、島根県、岡山県、広島県、山口県、香川県、福岡県、佐賀県、鹿児島県、沖縄県

2等地 青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、茨城県、栃木県、群馬県、新潟県、富山県、石川県、山梨県、鳥取県、徳島県、愛媛県、高知県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県

3等地 埼玉県、千葉県、福井県、長野県、岐阜県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県

4等地 東京都、神奈川県、静岡県


――どれだけ保障される?

 保険金額は、火災保険の30〜50%の範囲で決まり、建物5000万円、家財は1000万円が限度額です。例えば火災保険を、建物2000万円、家財1000万円で加入している場合の地震保険金額(保障額)は建物で最高1000万円(50%)、家財で最高500万円(50%)となります。ただし全壊か半壊かで支払いも違います。

 子供の教育費や住宅に資産形成をすることも大事ですが、国の支援が万全ではない今、自分たちでできる最大限のことを考えておかなければならないと思います。

 私もファイナンシャルプランナーとして、今後はますます災害に備えた運用・対応を提案していきたいと考えています。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ