三菱自動車のブースには、3台のコンセプトカーが展示されている。そのうちの1台が「i MiEV SPORT」だ。
→「第40回東京モーターショー2007」は、おサイフケータイで入場可能
→おサイフケータイで走り出す――ヤマハの電動バイク「BOBBY」
現状、エコカー(環境対応車)へのアプローチの方法はいくつかある。できるだけガソリンの消費量を抑える「低燃費」化は当然として、このほか現状で研究・開発が進んでいる選択肢としては(1)ガソリン+電気のハイブリッドカー、(2)水素を利用する燃料電池車、そして(3)電気自動車(EV)が挙げられる。
トヨタ「プリウス」に代表されるハイブリッドカーは、次世代で家庭用電源で充電できるプラグインタイプが登場(別記事)、電気自動車に近づいていくと思われる。燃料電池車は一部商用車が出てきているが、今の方式ではコストが高く、量産しても普及は難しいと言われている。今後化石燃料であるガソリンが使えなくなる日が近づくにつれ、電気自動車の重要性は増すと予想されるのだ。
三菱自動車は、電気自動車に非常に熱心に取り組んでいるメーカーである(別記事)。2006年10月、次世代電気自動車「MiEV(ミーブ、Mitsubishi innovative Electric Vehicle)」を発表、現在は電力会社各社と共同で、市販化に向けて検証を行っている。
i MiEV SPORTは、MiEVをベースにして、より“走り”を重視したスポーツモデルだ。MiEVと同じ後輪用シングルモーターに加え、左右の前輪にインホイールモーターを積み、3つのモーターで構成している。「残念ながら、電気自動車は走って速いイメージがない。(i MiEV SPORTでは)“走らない”というイメージを払拭したかった。実際に乗ってもらうと、『ターボ車よりむしろ速い』と言われるほどで、“スポーティな電気自動車”として認めていただけている」(説明員)
電気自動車の実利用を考えるとき、重要なのが充電の問題だ。i MiEV SPORTでは家庭用AC電源プラグで充電できるほか(100V/200V兼用)、専用プラグを使う急速充電口も備えている。このほか、マイクロ波を利用した無線充電するシステムにも対応している。また、補助発電装置として、ルーフに太陽光発電用パネルを、前面には減速時に利用する風力発電用のファンを搭載している。
コンセプトカーらしく、インテリアもi MiEV SPORTは“未来的”だ。ステアリングの中央に配置した全面液晶のパネル(別記事)は、スピードメーターやタコメーターなどをドライバーの必要に応じて表示する。
電気自動車にはトランスミッションがないので、運転席の左横にあるのはレバー。ただしエンジンブレーキを効かせたい場合などは、ステアリング横のボタンで擬似的にシフト操作ができるようになっている。レバーの上のパネルも、必要に応じてさまざまな情報を表示できる。
記者は電気自動車を運転したことはないのだが、一般のクルマに比べると格段に静かなのだそうだ。走りに注力したi MiEV SPORTでも、車内は非常に静かだという。エアコンは脱臭機能付きで、アロマと酸素を発生するシステムを採用しているのも面白い。「電気自動車だからできる、快適な車内空間を実現したい」(説明員)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング