インタビュー
» 2008年11月21日 20時10分 公開

あなたの隣のプロフェッショナル:製薬会社を辞め、銀座でバーを開いた理由――阿部佳則氏(後編) (3/4)

[嶋田淑之,Business Media 誠]

バーテンダーとして修行、開業へ

 2007年2月、退職。その後は飲食専門の起業家学校で経営学を学び、バーテンダースクールでバーテンダーとしての知識と技能を学んだ。同年5月からは、渋谷のバー「MARGE」で修行を開始する。「修行先は、店長と私の2人で営業する小さな店でしたが、厳しく指導してくださったお陰で、短期間でいろいろなことを学べ、非常に感謝しています」

 修行と同時に必要なこと。それは、出店予定地の選定だった。「最初は、東京駅の八重洲口付近にしようと考えていました。各製薬会社の本社が近くにありますし、お世話になった全国の先生方や第一製薬の営業担当者が、学会や会議などで毎週のように東京に来ていますから、そういった方々が帰りの新幹線に乗る前に、軽く一杯飲んでいけるような店にしたいと思いまして」

 しかし東京駅の再開発が進み、駅構内の店舗が充実していった結果、駅の外に人が流れてこなくなっていった。東京駅周辺という立地はそれほど有利ではないことが次第に明らかになってゆく。

 「その後、周辺地域をくまなく歩いて立地調査を行いながら、約20軒の不動産屋巡りをしました。なかなかいい物件が見つからなかったのですが、偶然飛び込みで入った銀座の不動産屋で、今の物件を紹介され、『これにしよう!』と決めたんですよ」

 前回ご紹介したように、店の場所は銀座8丁目、中央通りの銀座博品館の真裏にある寿司屋「江戸銀」の地下2階である。「それまで機械室だったところを、スケルトンの状態からバーにしたんです。店の青写真は全部、自分で作りました」

 2008年1月に渋谷での修行を終えた阿部さんは、開店に向けてエネルギーを集中してゆく。厨房機器・什器(じゅうき)・備品の購入、酒類・食材の種類と仕入先の選定、保健所・税務署・警察署・消防署での諸手続き、名刺・ショップカードの印刷、メニューブックの作成、ウリとなる商品(健康カクテル)の創作など、開店までにやることは山積みだった。

 そして2008年6月4日、阿部さんの人生の夢を乗せた「Bar Healing Water」が、船出した。

店内イメージも自分で考えて、業者に発注した(左)。ウリである健康カクテルのメニュー(右)
「Bar Healing Water」の店内。水が流れる音、青い室内装飾は深海のイメージ

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