インタビュー
» 2008年11月21日 20時10分 公開

あなたの隣のプロフェッショナル:製薬会社を辞め、銀座でバーを開いた理由――阿部佳則氏(後編) (4/4)

[嶋田淑之,Business Media 誠]
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公私共に順調な日々……将来に向けて

 オープンに当たってのプロモーションは、どのように行ったのだろうか?「実は、オペレーションに慣れるまで、積極的な告知はしなかったんですよ。ですからオープン当初は、予約制にしていました」。長年培ってきた人脈を生かし、それまで銀座のバーに馴染みのなかった知り合いを中心に足を運んでもらった。

 知り合いがさらに別の知り合いを連れて来るような形で固定客は順調に増えた。オペレーションも安定してきた7月中旬、予約制を止めた。それから程なくして、TBSの主婦向け人気番組『はなまるマーケット』に出演する(8月8日)。「主婦のカリスマ番組に私が出たということで、妻が非常に喜んでくれまして、なんだかちょっとだけ、恩返しができたような気がしました」と微笑む。最初は反対したご家族は、いつしか一番の応援団になっていたのではないだろうか?

 9月には『Hanako』の銀座特集号に掲載される。銀座のおすすめバーとして紹介されたのはたった6軒。その中に「Bar Healing Water」が入ったのだ。

取材時に作っていただいた健康カクテル。手前が「眼の疲労回復」、奧が「心の癒し」

 阿部さんは、お店の将来についてこう語る。「10年経っても、20年経っても、店舗数を増やす気はありません。あくまでもこの1店舗のカウンターに、これからもずっと私一人で立ち続けるつもりです」と。

 バー業界には、「50、60は鼻ったれ。70歳になって初めてお客様の立場に立ったお酒が出せる」と言う人もいる。

 なるほど、それも真理かもしれない。しかし、筆者は、阿部さんを見ていて、また別の感慨にとらわれる。現在38歳の阿部さんは、「今」の阿部さんにしか創出できない価値を、お客様に提供しているのではないか? きっと10年後には、48歳の阿部さんにしか創出できない価値を提供するのだろう。

 阿部さんがお客様に提供しているもの――それは、その一瞬一瞬の彼の魂の燃焼であり、その日その時でなければ創出し得ない「かけがえのないもの」なのではないだろうか。だからこそ、多くのビジネスパーソンの心を捉えて離さないのではないか? 私にはそう思えてならないのである。

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