個性的な電気自動車に人気集まる――第1回カーエレクトロニクス技術展

» 2009年01月29日 16時10分 公開
[堀内彰宏,Business Media 誠]

 三菱自動車や富士重工業が電気自動車の一般発売を予定していることから、「電気自動車元年」ともささやかれる2009年。東京ビッグサイト(東京都江東区)で行われた「第1回カーエレクトロニクス技術展」では個性的な電気自動車が4台展示されており、人気を集めていた。

人気の電気自動車

 トヨタ車体の「COMS(コムス)」は鉛電池を用いた1人乗り電気自動車。バイクのようにも見えるが、道路交通法上は4輪原動機付自転車(ミニカー)なので普通免許が必要だ。最高速度は時速50キロメートルで、満充電走行距離は35キロメートル(ロングタイプは45キロメートル)。充電にかかる電気代は約80円(ロングタイプは約120円)なので、1キロメートル走るのに2円強しかかからない計算だ。価格は77万1750円〜92万9250円。

トヨタ車体のCOMS(コムス)

 タケオカ自動車工芸が参考出品した「T10」も鉛電池を用いた1人乗り電気自動車。丸っぽい外見が特徴的だ。最高速度は時速55キロメートルで、満充電走行距離は50キロメートル。同社ではこれまでにも「ミリューR」や「EV-1 ルーキー」といった電気自動車を販売している。

タケオカ自動車工芸が参考出品したT10

 ゼロスポーツが参考出品したのは、市販している電気自動車「エレクシードRS」を、鉛電池仕様からリチウムイオン電池仕様に変更したオープンカー。最高速度は時速60キロメートルで、満充電走行距離は100キロメートル。リチウムイオン電池を用いることで鉛電池よりも重量を半分以下にできるため、満充電走行距離が最大70キロメートルだったものを、約100キロメートルまで伸ばした。  

ゼロスポーツが参考出品したリチウムイオン電池仕様の「エレクシードRS」

 真っ赤なフォルムで人目を引いていた「ジラソーレ」は、リチウムイオン電池を用いた2人乗り電気自動車。イタリアでデザインされ、オートイーブィジャパンが日本へ輸入している。最高速度は時速65キロメートルで、満充電走行距離は120キロメートル。神奈川県にはジラソーレをレンタルできるサービスもある。価格は264万6000円。

オートイーブィジャパンがイタリアから輸入するジラソーレ

 さまざまな展示会で電気自動車を見る機会は増えているが、価格の高さや走行距離の短さ、街に充電設備が整っていないといった課題の解決はこれからだ。ガソリン価格が安くなっている現状で、「それでも電気自動車が欲しい」という人がどれだけ増えるのかが注目される。

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