気になるアレは注目されている? 瞳孔の開きであなたの心理を分析(1/2 ページ)

» 2009年01月30日 07時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

 お店で消費者は何に関心を示しているのだろうか? Webサイトをリニューアルしたいけど、レイアウトに自信が持てないなあ……。こうした疑問や不安に対し、瞳孔の動きなどでどれだけ「興味」を持っているのかが分かるサービスがスタートした。

 人材サービスのヒューマントラストホールディングスは、意識的にコントロールできない瞳孔の動きやまばたきの回数を測定することで、人の興味や関心を測定するサービス「Emotional 分析」を始めた。これまでは視線を追ったり、視点が止まっている時間から、人の関心を分析する「アイトラッキング」という手法が一般的だった。

 しかしヒューマントラストホールディングスは人が興味を持ったり、感情の起伏によって瞳孔が大きくなるという特性に着目。そしてヒューマントラストグループのVIS総研が早稲田大学の国際情報センターと共同研究を行い、このほど世界初の測定器を開発した。

 測定器のタイプは机の前に座って測定する「据置型」と、帽子やメガネに小型装置を取り付ける「キャップ型」と「ゴーグル型」を用意。据置型はモニターを通して、心理の変化やどこに注目したかを分析できる一方、キャップ型とゴーグル型は屋外でも対応できるのが特徴だ。

Emotional 分析のゴーグル型(左)、帽子型(右、クリックして拡大)

男女によって興味を示すポイントに違い

 計測の仕方はまず利き目などをチェックし、据置型の場合はイスに座るだけ。映像を表示するモニターの下に3つのカメラが設置してあり、これで目の動きを計測するほか、目の位置を追跡していく。

 実際に記者もあるテレビCMを見ながら、分析してもらった。すると自分が注目したところに、興味の関心度によって円の大きさが映し出される。記者がどこを見て、どのくらいの興味を示したのかが分かるのだ。

記者もCMを見て、瞳孔の変化などを分析してもらった

 男女によって関心を示すポイントに違いはあるのだろうか? VIS総研の原一有(はら・かずあり)氏は「CMの場合、女性は効果音に反応する傾向があります。一方の男性は、CMに登場している女優さんなどに強い関心を示しますね」

 またWebサイトでは、女性は商品の申込方法や使い方、価格などをじっくり見るが、男性は次から次へと商品を見ていき、パッケージで選ぶ傾向がある。「スーパーなどで夫婦が買い物をするのとよく似ています。女性はじっくり商品を見ていきますが、男性はウロウロしている人が多いですよね」。ただ男性の場合、趣味に関するWebサイトは「じっくり見る」人が多いという。

目の動きと瞳孔の開きで3つを分析

興味をもったところが青丸で表示され、実際にクリックされたところが赤丸で表示。目線が青い線でしるされている

 この「Emotional 分析」、実際のビジネスではどのように活用することができるのだろうか? VIS総研では、大きく分けて3つを提案している。それは「調べる」「選べる」「比べる」だ。

 1つめの「調べる」は、視線や瞳孔を分析することで、Webサイトや広告デザインをチェックできるという。Webサイトのどこに目が行き、目的のポイントまで迷っているかどうか、などが分かる。例えばバナー広告がどのくらい認識されているか、などの見直し材料として判断できる。

 2つめの「選べる」は興味を数値化するので、商品開発の材料にすることができるという。例えば、さまざまな色の携帯電話の写真の中で、好きな色をアンケートしてもらう。そのクリックに至るまでの目の動きや瞳孔の開きを調べることで、どの色と迷って選んだかの“軌跡”が分析できる。

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