著者プロフィール:森田徹
1987年生まれ、東京大学教養学部文科二類在学中(4月から経済学部経営学科に進学予定)、聖光学院中高卒。現在、東大投資クラブAgents、自民党学生部、東京大学裏千家茶道同好会のサークルに所属している。投資・金融・経営・政治・コンピュータ/プログラミングに興味を持つ。日興アセットマネジメント主催「投信王 夏の陣」総合個人優勝、リーマン・ブラザーズ寄付講座懸賞論文最優秀賞。
『東大合格生のノートはかならず美しい』(東大ノート本)という本が15万部も売れているらしい。活字離れに金融危機が重なった出版不況の中、この数字はスゴイと言っていいだろう。
東大に合格する生徒のノートが美しいと聞いて「そんなバカな!」と思った筆者は、自分のノートを改めて確認した。しかし何度見ても、汚いのだ。学生証には「東京大学教養学部」と書いてあり、確かに東大生なのだが、それでもやはりノートは汚いのだ。
もちろん、筆者は中学生のときから投資にかぶれている資本主義の手先だから、印象操作だろうが偏向報道だろうが「数字を取ったものが勝ちだ」と考える人種である。だから本が売れて、印税で1500万円ほど稼いだ方が“勝ち”だと思っている。はっきり言って、あやかりたい。
そこで今回は東大ノート本を批判するだけではなく、「効率的な勉強法とは何か?」といったテーマについて考えてみた。
まずは東大ノート本の“揚げ足”をとることにしても、本の内容を確認しないのはやはりマズい。しかし、わざわざ買うのも面倒なので、立ち読みですますか……と考えながら“ググって”みると、文藝春秋が特設サイトを立ち上げていた。
そこで、本稿ではこのWebサイトに書いてあることを東大ノート本と同一のものとして扱う。万が一、これが文藝春秋の図った壮大な罠だとしても、筆者は責任を負わない。
東大ノート本のWebサイトは、法則・事例・実践の3部構成になっている。重要なのは「法則」だろうから、以下に要約する。(1)文頭をそろえる、(2)不要なものはコピーする、(3)余白をとる、(4)インデックスを作る、(5)重要なところは改ページ、(6)自分のフォーマットを作る、(7)丁寧に書く――といった具合だ。
「キレイなノートを作る」という前提に立てば、なかなか良いアイデアだ。その上、Webサイト上でインタビューに答える東大生の女の子は実にかわいらしい。優等生然としていて、さらに見せるノートも美しい。筆者も見習った方がいいかもしれない。
ただ、はしごを外すような展開で申し訳ないが、東大ノート本の著者である太田あや氏のかき集めた200冊の東大生のノートはすべて美しかったのかもしれないが、あえて断言しよう。
そもそも、東大生はあまりノートを取らないのだ。
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