ヘッドハンターには会うべし。しかし注意点も忘れずに山崎元の時事日想(2/2 ページ)

» 2009年04月09日 07時00分 公開
[山崎元,Business Media 誠]
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 ヘッドハンターには、企業から依頼を受けた段階である程度の前金を手数料として取るタイプの会社と、人材を紹介して採用が決まってからはじめて手数料を取るタイプの会社の大きく分けて2種類がある。大手の会社で高額案件を手掛ける会社は前者のタイプに多く、独立系の小さな会社で少額の案件も扱うことが多いのは後者だ。

 ヘッドハンターの手数料は、新しい年収(給料分だけの場合もあるし、ボーナスを含む年収の場合もある)の高くて35%、安くて25%くらいで、前金を取っている業者は、後から差額を精算する(前金を返す精算は行われない場合が多い)。通常は、採用する側の会社がヘッドハンターに手数料を払う。

 大手でも分野(業界・職種)ごとに得手不得手があるが、特に小さな会社の場合、経営者(1人の会社も多い)の得意な業界・職種を確認してから付き合いたい。「得意」に関しては、求人側に深く食い込んでいて「案件」をたくさん持っていることと、その業務の詳細が良く分かることの2つの要素があるが、両者が重なることが多い。

 現在の自分の職種(あるいは興味のある職種)に詳しい独立系のヘッドハンターは、人材情報ばかりでなくビジネス上有益な情報をもたらすことが多いし、良い理解者・相談者になってくれることがあるので、気の合う人物で案件情報を多く持っているヘッドハンターがいたら、個人的に付き合ってみてもいいだろう。

 ヘッドハンターとの付き合いの基本はギブ・アンド・テイクだ。自分が彼らの「商品」になってあげると最も喜ばれるが、そのために転職するわけにもいかない。1つには自分が知っている人材を彼らに紹介すること、もう1つには自分の仕事に関連する業界事情や新しい技術・知識などを伝えることが、こちら側からの「ギブ」になるだろう。あちら側からは、人材市場の様子、自分の商品価値、などのほかに、人材の動きから見た他社の動きに関する情報が伝わってくることが多い。

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