今度のカーナビはGoogleマップで目的地に――パナソニック

» 2009年04月23日 07時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]
ポータブルナビ「CN-MP200DL」

 パナソニック株式会社 オートモーティブシステムズ社は4月22日、ワンセグなどを搭載したポータブルナビ(PND)「Strada Pocket」(ストラーダポケット)を6月12日に発売すると発表した。いずれもオープン価格だが、6万円〜7万円を見込んでいる。

 ストラーダポケットはクルマの進行方向や走行距離、道路の傾斜を検知することができる「迷いまセンサー」を搭載。GPSと迷いまセンサーから得た情報を処理することで、「HDD ナビに迫る精度でクルマの位置を測位することができる」(パナソニック)という。このほかGoogleマップで調べた位置情報をSDメモリーカード(別売)でナビに転送すれば、目的地に設定することが可能。また充電式リチウムイオン電池を内蔵しているので、車内だけでなく家でもドライブを計画したり、ポータブルテレビ(ワンセグ内蔵モデルのみ)として利用できる。

 2008年度は新車販売が苦戦した影響で、カーエレクトロニクス業界にも“逆風”が吹き荒れた。しかし売上ベスト100車種(日本自動車販売協会連合会)の構成比を見ると、軽自動車とコンパクトカーを合わせたシェアは59%。小型車の販売台数は比較的堅調だったことを受け、「市販カーナビ市場でも、より手軽なPNDの需要は拡大している。(同社では2008年度)PNDを168万台出荷し、前年比103%増だった」(柴田雅久常務取締役)

 純正ナビの装着率(2007年度)を見ると、コンパクトカーの非装着率は54%、軽自動車は同89%。こうした状況について、ビジネスユニット長の木村真人氏は「世に出ている軽自動車の9割は、ナビを装着していない。(この数字は)市販ナビを扱う同社にとって、大きなビジネスチャンス」と分析している。

ポータブルナビ「ストラーダポケット」のラインアップ

品番 発売日 月産台数
CN-MP200DL(ワンセグチューナー内蔵) 6月12日 6000台
CN-MP200D(ワンセグチューナー内蔵) 6月12日 8000台
CN-MP100DL 6月12日 2000台
CN-MP100D 6月12日 3000台

クルマの中でBlu-rayディスクレコーダー

ストラーダの「CN-HX900D」

 また同社は、HDDナビの中位クラス「Strada」(ストラーダ)の新製品を発表した。従来の「2DIN 一体型タイプ」(カーナビとオーディオ機能が一体)に加え、「1DIN+1DIN タイプ」(モニタが出てくるタイプ)も追加した。価格は24万9000円〜30万2400円で、6月1日から発売する。

 ストラーダの特徴は、内蔵する「地上デジタルチューナー」に「4チューナー×4アンテナ」技術を採用することで、地デジ放送の受信可能距離が約1.4倍(同社従来比モデル)に拡大。またPNDと同様、Googleマップから目的地を探すことができる。

CMに登場する“侍”

 さらに同社は、クルマに搭載することができるBlu-rayディスクプレイヤーとハイビジョン映像を車内で見ることができるHDDナビを開発した、と発表した。いずれも2009年秋をめどに商品化し、販売を開始する予定。

 Blu-rayディスクプレイヤーは1DINサイズ(縦50ミリ、横178ミリ)で、「ブルーレイDIGA」で録画したハイビジョンコンテンツも再生可能。また出力端子を搭載しているため、入力端子付きのナビに接続することができる。またHDDナビは上位クラス「Strada Fクラス」の新製品で、ハイビジョン画質7V型を備えているほか、ワイドXGA(幅1280×高さ720ピクセルの解像度)液晶ディスプレイを搭載している。

 「ここ数年、Blu-rayディスクレコーダーの需要は急速に拡大しており、2008年下期には台数ベースでDVDレコーダーの需要を上回った。2009年以降はさらにこの傾向に拍車がかかり、Blu-rayディスクレコーダーがHDDレコーダー市場の約80%を占めるだろう」(パナソニック)。一般の家庭でもハイビジョン映像を楽しめる時代となりつつあるが、今後はクルマの中でも見ることができそうだ。

中位クラス「ストラーダ」のラインアップ

品番 希望小売価格 発売日 月産台数
CN-HX900D 30万2400円 6月1日 2000台
CN-HW880D 26万400円 6月1日 2500台
CN-HM850D 24万9900円 6月1日 5000台

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