コラム
» 2009年05月19日 07時00分 公開

メイド喫茶の内側は? 現役メイド「あいりちゃん」に聞く(前編)現役東大生・森田徹の今週も“かしこいフリ”(2/4 ページ)

[森田徹,Business Media 誠]

 いまさらであるが、まずはメイド喫茶とは何であるかをおさらいしておこう。メイド喫茶とは、通常の喫茶店の業務(メイド用語で「お給仕」)を、メイド服、あるいはそれに準ずる衣装を着た女性従業員が行うものだ。

 通常の喫茶店と違うところは、メイドの大衆化・アイドル化の流れとともに、喫茶店への付加的なサービスとして、チェキ(写真)や設定に沿った立ち振る舞いが要求されるところだが、あいりちゃんに言わせると「旦那様の前でオムライスにケチャップをかける程度で、特に普通の喫茶店との違いはない」とのことだ。

 以前、当コラムで取り上げたキャバクラのように(関連記事)、同伴もなければアフターもなく、基本的には客とのプライベートでの付き合いもない、ある意味では極めて健全な業態である。

 こういった非喫茶店的な業務の種類、またお店の雰囲気や設定のジャンルによって、アキバのメイド喫茶は主に「正統派メイド喫茶」「萌え系メイド喫茶」「コンセプトカフェ」の3種類に分かれる。

萌え系メイド喫茶

 我々が一般的にメイド喫茶として認知しているのは「萌え系メイド喫茶」であり、ここで独走しているのが業界大手の「@ほぉ〜むcafe」である。メディア戦略が効を奏し、「メイドといえば萌え」というイメージを植え付けた、メイドブームの立役者である。「萌え萌えキュン」といった動作や振り付けの源流は、基本的に@ほぉ〜むcafeが完成したと言っても過言ではないようである。詳しい話は後に譲ろう。

正統派メイド喫茶

 「正統派メイド喫茶」はアキバのメイド喫茶の黎明期を支えた系統である。「おとなしめの黒髪の女の子がロングスカートのエプロンドレスといった感じ。メイドが特に話しかけるわけでもなく、本当に店員がメイド服を着ただけのメイド喫茶」(あいりちゃん)である。正統派の老舗といえば「くろすろ〜ど」だったのだが、2008年5月17日に閉店の憂き目にあった。

正統派の老舗「くろすろ〜ど」

 くろすろ〜どの店長は閉店理由を以下のように語っている。「自店の提供するサービスと、秋葉原を訪れる観光客の方々が求めるメイドカフェのサービスイメージに差があり、需要に合わせる余り本来行いたかったサービスとのズレが生じたため」。あいりちゃんに言わせると「萌え系に食われた」アキバメイド喫茶業界では劣勢の系統である。同系統では他にも老舗として「CURE MAID CAFE」(キュア)が有名だ。

コンセプトカフェ

 最後に、2007年以降のメイドブームの収束に伴って、差別化戦略の一環として台頭してきたのが「コンセプトカフェ」だ。この系統は、萌え系メイド喫茶のリニューアル、及び新規出店により数を伸ばしているようである。コンセプトという名の通り、奇をてらった設定が特徴だ。例えば店員の設定が、妹(客の呼び名は「お兄ちゃん」)だったり、女子高生(「先輩」)だったり、はたまた巫女(みこ)さん(チャージ料が「お賽銭」という名称らしい)やナースであったりする、非常に狭い嗜好を狙った系統である。各店舗が独立した設定を持っており、特定の設定に対して1〜2店舗程度しかないらしい。

 また、コンセプト系でも更に狭い嗜好(しこう)を狙ったものだと、不定期にレンタルスペースで開催される企画系のものもある。例えば、先日話題になった女装メイド喫茶である「雲雀亭」(ひばりてい)などが有名だ。

 これら3つの系統に分かれるメイド喫茶は、地方や海外への進出も少しずつ行われているようだ。とはいえ、100店舗以上を包する聖地たるアキバの存在感は今なお圧倒的である。

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