アイスクリームの市場規模が拡大している。業界団体の日本アイスクリーム協会の調査によると、2024年度は6451億円(メーカー出荷ベース)と過去最高を記録した。
最需要期はもちろん盛夏だ。2025年は「観測史上最も暑い夏」となり、群馬県伊勢崎市で41.8度を記録(国内最高気温を更新)するなど酷暑が続き、アイスも売れた。
1個100円台で買える商品が多い中で、異色の存在が「ハーゲンダッツ」だ。
ハーゲンダッツは米国発祥のブランドで、日本に上陸したのは1984年にさかのぼる。それ以降、昨年までの41年間、12月が最も市場シェアが高まる“冬の女王”だ。理由は複数あるが、年末年始のイベントが多く「人も集まる時期の奮発需要」が大きいといわれる。
なぜ、ハーゲンダッツの人気は長年続くのか。ブランドの現在地と課題について、ハーゲンダッツ ジャパンの北川和男氏(執行役員 マーケティング本部長)に話を聞いた。
同氏は1994年に同社に入社。営業企画業務に最も長く従事し、2022年のマーケティング本部長就任後はブランド戦略・商品企画・消費者コミュニケーションの3領域を統括する。ブランドの変遷を肌で感じてきた人物だ。
「2024年度の企業業績は528億円と過去最高を更新しました。当社は12月決算ですが今年度も順調です。特に、一気に涼しくなった10月中旬以降に商品需要が高まりました」と、北川氏は1年を振り返る。
最近行った消費者コミュニケーションで、手応えを感じたものは何か。
「9月30日にミニカップ『悪魔のささやき〈チョコレート〉』と『天使のおさそい〈ホワイトチョコレート〉』を期間限定で発売しました(現在は販売終了)。2022年に発売したシリーズ商品から、さらに奥行き感を高めた“悪魔”に加えて、ホワイトチョコの“天使”も新発売し、それぞれの濃厚さを訴求した結果、好評いただきました」
基本は、こだわりの乳(ミルク)に合う味で、商品開発には平均約2年かかるそうだ。ロングセラー食品で「好きな味対決」が話題となるのは、例えば“きのたけ”(明治「きのこの山」と「たけのこの里」)が有名だ。そのマーケティング手法といえる。
今回の結果は「拮抗しましたが、ボリュームとしては悪魔が支持されました」という。
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