持高調整の買いも一服、出遅れ銘柄を物色する動きは続いたが指数は軟調清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

» 2009年05月26日 15時48分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]
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明日の相場雑感

 米国市場が休場となったことや為替も大きな動きはなく、手掛かり難のなか、買い戻し一巡感から軟調となりました。ただ、一方で出遅れ感が強い銘柄などを個別に物色するような動きもあり、市場全体とすれば底堅さも見られました。ただ、内需株やディフェンシブ銘柄が買われた後に小型銘柄を物色するうごきになっており、再び主力銘柄に物色対象が向かうのかどうかが注目されます。景気底入れ感は強まっているものの、底入れか確認とはいかず、底入れ確認となるだけの材料が欲しいということなのでしょう。

 「スマートグリッド」と言う言葉があります。昨日の新聞にも報道されていたのですが、次世代の「送電網」といわれているものですが、一言で言えばIT(情報技術)を利用して需要と供給側から電力の流れを制御するということなのです。こうした「次世代」と言われるものはそうしたことを始めるという「理想買い」と言われる時期があり、そして次に「現実買い」と言われるような実際に収益に寄与することを評価する動きとなるものなのです。

 実際に薄型テレビでもハイブリッド車でもそうした「理想買い」の時期と「現実買い」と言う時期とがあり、ハイブリッド車などは「現実買い」と言う時期にあるのかもしれません。収益にどの程度寄与するのか(赤字なのか?)はわかりませんが、ETCの騒ぎほどではないにしろ、経済対策の効果が表れてくるかもしれません。

 このように、「次世代」の技術などを評価するのは難しいのかもしれませんが、目先的な値動きに右往左往するだけではなく、こうした「夢」を買うようなことがあってもいいのではないかと思います。比較的近い将来の生活がどのように変化しているのか、便利になっているのか、そしてそれらの利便性を供与している企業は何処なのかなどを考えて見るのも投資の役に立つだけでなく、楽しいかもしれません。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券などを経て現在リテラ・クレア証券で相場情報などに携わっている。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。


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