こんなエコの旅はいかが? ヨーロッパ国際列車で“仕事を忘れて”松田雅央の時事日想(1/3 ページ)

» 2009年07月28日 08時12分 公開
[松田雅央,Business Media 誠]

 ヨーロッパは今、夏のバカンスシーズン。昨今の不況もあってバカンスの取り方は「近場で短く」の傾向が強まっているものの、7月中旬から9月中旬にかけて多くの人が休暇をとることに変わりはない。「都市から人がいなくなる」ような極端なことはないのだが、街はどこかしら気だるい雰囲気に包まれ労働意欲が低下してしまう。シーズンが終わり久々に会う人とのあいさつは、「バカンスはどうだった?」といった感じだ。

 環境問題とエコが叫ばれる時代だけに、旅の仕方にも気を使いたいもの。今回の時事日想では、ヨーロッパを網羅するエコで便利でリーズナブルな列車の旅をご紹介したい。読者の皆さんがヨーロッパへいらっしゃる時にもきっと役立つだろう。

国際列車に国境はなし

 ヨーロッパ主要各国にはそれぞれの国が誇りとする特急列車があり、海外の鉄道開発で日本の新幹線と競うTGV(フランス)やICE(ドイツ)、あるいはベルギー・フランス・オランダの特急THALYSなど、名前を聞いたことのある方も多いと思う。これらの特急は国鉄(民営化されている場合もある)が運行しているわけだが、この10年ほどで国境を越えた国際運行が非常に増えてきた。

 その背景にあるのは格安航空便との競争だ。

 もし特急の運行が国内に限定されれば、とても格安航空便に勝てない。ヨーロッパの特急列車は座り心地や内装の質が高く、これも「飛行機に負けない快適さ」を意識してのものだ。各国は生き残りのため歩調をそろえながら国際特急の運行を増やし続けている。

ベルギー・フランス・オランダの特急THALYS(タリス)。アムステルダムとパリを4時間で結ぶ
シュトラスブール(フランス)駅舎。歴史的な駅舎を残し、その前面をガラスで覆うことによってスペースを確保している。世界的に注目されている建築物
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