「厳しい評価をいただいたが、すでに解決済み」と最後まで強気を崩さないJOC(日本オリンピック委員会)だが、熱の差はIOC評価委員会報告書にも、東京とリオのプレゼン資料にもありありと出ている。
IOC評価委員会報告書のサマリーにこうある。「リオの招致組織から評価委員に提供された資料とプレゼンテーションは詳細にわたり“とても”質が高い」に対して、東京は「いくつかの点で不明瞭さがあるものの質が高い」にとどまる(拙訳)。
リオの評価は、先に指摘された宿泊施設の不備に対しても「ホテルや宿泊村、そして6隻のクルーズホテル対策を評価」とあり、「2014年のFIFAワールドカップ開催がインフラ整備を加速させ、組織運営の経験にプラスになり(中略)2016年オリンピックのマーケティングとコミュニケーション戦略へのチャレンジになる」と総じて好意的。ところが東京の評価は全体的に低調。文字数にもそれは表れており、東京は2800文字だが、リオは3500字を超える。もっとも文字数ではシカゴがトップだが、推挙する熱さは伝わらない。
リオと東京のプレゼン資料を比べても熱量の違いは鮮明である。リオは写真が多用されて分かりやすく“何か起こりそう”とワクワクするけれど、東京はつまびらかで生真面目、施設や運営の情報は盛りだくさんだが、開催者がやりたい内容ばかりで、市民の視点がない。
東京の「オリンピック開催支持率」(2009年2月実施)は4都市中最低の55%。しかも「強く支持(下表の『Support strongly』)」は際立って低い。
これじゃ落選しても石原都知事のせいと言えない。都民とゼロヨン都民(市外局番04から始まる地帯に住む首都圏民)、いや日本人全体のせいだ。過去の視聴率から考えても、日本人ほどオリンピック好きな国民はいないはずなのに、なぜ盛り上がらないのだろうか?
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