お金が増えないのは“本気”じゃないから?ちきりんの“社会派”で行こう!(2/3 ページ)

» 2009年12月21日 08時00分 公開
[ちきりん,Chikirinの日記]

ダイエットも同じ

 ダイエットもまったく同じです。やせる方法には3つしかありません。

(1)食べない(摂取カロリーを減らす)

(2)動く(消費カロリーを増やす)

(3)筋肉をつける(基礎代謝の高い体になる)

 面白いことに貯蓄の場合とまったく同じ現象が起こるのです。「やせたい」という人の多くが「水泳を始める」とか「ダンベルで筋肉をつける」と言い出します。(2)や(3)ですね。

 でも、それでやせるのはとても難しいです。やせるために最も効果があるのは(1)です。高カロリーなもの、すなわち、おいしいものを食べない。これだけでやせます。ラーメン1杯食べたら、2時間ジョギングしないとカロリーを消費できません。運動で体重を減らそうという人は、それがどれだけ大変かよく理解した方がいいです。

 (3)も同じです。基礎代謝なんて(年齢、性別などにより異なりますが)1日1000〜1500キロカロリーです。24時間ずっと心臓や肺などを動かして、その程度しか使いません。

 それが少々の筋肉を増やすことで、どれだけ増えるでしょう? ムキムキのボディビルダーほどの筋肉をつけるならともかく、ダンベル運動程度でつく筋肉が消費するカロリーなんてごく限られています。菓子パン1つ=400キロカロリー分を消費するのに、基礎代謝を40%近く上げる必要があります。が、筋肉はそんな簡単に40%も増えないです……。

 というわけで、やせたいなら「おいしいものを食べない」ことが必要だし、最も効果があります。中途半端に運動して「ビールがおいしい!」とか「今日は運動したから、おなかペコペコ!」とか言っていたら、むしろ太ります。実際そういう人はたくさんいます。

 というわけで、ダイエットも貯蓄の話と同じように、多くの人が「少しやせた方がいいよな」とは思っていますが、実は大して切実ではないということです。

 ご存じのように「やせていることが人生の価値を決める」と本気で信じる一部の若い女性や、「このままだと死にますよ」と医者に言われた成人病のおじさんは、(1)の食事制限をします。なぜならそれが一番効果があるからです。

 でも、大半の人は、おいしいモノを我慢してまでやせたいわけではないのです。土日に働いてまで貯金を増やしたいわけではないのと同じです。

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