コラム
» 2010年01月12日 08時00分 公開

なぜハイボールは売れたのか(2/3 ページ)

[竹林篤実,INSIGHT NOW!]
INSIGHT NOW!

前年対比4倍の伸び

 ところが年経て、誰もハイボールなど飲まなくなった。世の中的にも飲まれなくなった。ダイヤル式の電話機がいつしか消えてなくなったように、ハイボールもどこかに失われてしまった。もしかしたら渋いバーなどではメニューの1つとして生き残っていたのかもしれないが、少なくとも居酒屋にはなかったし、缶ドリンクとしても見かけなかったのだ。

 それが、なぜか昨年大ヒットした。とても不思議だ。

 どれだけ売れたかといえば「ハイボールを販売している飲食店は2009年で前年対比4倍の6万店超(日経産業新聞2009年12月25日付7面)」だという。筆者もこのブームに完全に乗ってしまった口で、昨夏は「とりあえずビール」の次は「んじゃ、ハイボール。うんと濃いめでよろしく」なんてやってたのだ。

 実際、行きつけのお好み焼き屋さんでもハイボールがどんどん出ていた。CM効果はもちろんあったのだろうが、その背景にはもう1つ、時代の流れのようなものがあったのではないだろうか。

安く、オシャレに、酔いたい

 ハイボールの競合はおそらく酎ハイだろう。ハイボールが登場する前には「とりあえずビール」の次は酎ハイを頼む人が圧倒的に多数派だったはずだ。そりゃ中には料理に合う日本酒やワインをセレクトされる方もいるだろうけれど、その方たちは一応少数派と仮定する。

 しかし酎ハイは今ひとつ「もっさい」のである。あまりにも普及しすぎたがゆえに、おしゃれ感に欠ける。いろんな割り方があって、さまざまな味を楽しめはするのだが、特定銘柄の焼酎をきちんとオーダーして水割りなりロックにして飲む以外は、意外に薄さを感じたりする。

 もっともあまり酔いたくないニーズも一方ではあるわけで、そこを酎ハイが引き受けていた可能性はある。が、以前より、いささかばかり酔いたい人が増えているのではないか。しかも安価に、できるならオシャレに。

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